2008年7月から2年間、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院に留学しています。まとまりのないひとりごとです。


by knj79

シンプルでもいいからモデルを組むことの利点

修論(APA=Advanced Policy Analysis)の中間発表が3月中旬にあった。指導教官のDanやクラスメートからは鋭い指摘はあったものの全体的にはいい評価を貰い、まずは第一関門をクリアした。

GSPPは、カリキュラムを見ても分かる通り、定量的な政策立案をすることをAPAにおいて強く推奨していて、定量分析がないとだめよという教授もいる。Danも最初はそう言っていたのだが、現時点で定量分析をしているのは8人いるゼミ生のうち、ぼくを含めて二人だけだった。やっぱり定量分析はハードルが高いんだよな。

余談だが、GSPPのバイブルとも言える"A practical guide for policy analysis"のp38で、著者であるGeneはこう書いている。

ステップ5 政策の効果を予測する

君のリストの中にある政策それぞれについて、政策の効果を定量的に予測すること。これが8つあるステップの中で最も困難なものだ。熟練の政策立案者でさえ、それをうまくやることは難しい。政策立案者はしばしばこのステップを避け、できない言い訳を並べてごまかす。それは驚くべきことではない。

だから、このステップについて最高のアドバイスは単純だ。

やれ。(Do it)


ゼミの終盤、Danから、「な、knjがやったみたいに、モデルを組んで政策評価をしたら、モデルの中の仮定の置き方、計算式の立て方、感度分析とか、いろんなアイデアが出てくるんだ。とにかく、どれだけシンプルでもいいから、モデルを立ててみると本当に有用だよ。」との発言。確かに、ぼくの発表は一番質疑応答が活発だった。

で、今修論を書いている。切った張ったの政策・政治の世界で、こんなに悠長にモデルを組んで変数をいじくって、とやっていられるわけはない。明日の午前中までに、何かいいタマ(政策)を!の世界だ。ダイナミック、ということもできるかもしれない。

でも、政策っていうのは本当は無数の変数の中から、政府にコントロールできる変数はどれで、そうでない変数はどれか、コントロールできる変数をどうやって、どのレベルで決めていくか、直接コントロールできないリスクをどうヘッジしていくか、といった、繊細なものでもある。

そのためには、さっとモデルを組んで、議論をすることをちゃんとやんなきゃいけないのだろうなと思う。インターンした企業では、そういうモデリングをするアナリスト部隊が大量にいた。それは様々なリスクをヘッジしないといけないエネルギー企業という特性上当然だが、政策を作るのだって本質的にはおんなじことをやっているのだぞ、と思う。



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by knj79 | 2010-04-12 08:12 | 公共政策大学院(GSPP)