2008年7月から2年間、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院に留学しています。まとまりのないひとりごとです。


by knj79

留学報告2 必修科目

留学報告1 GSPPのカリキュラムの概要

GSPPでは学生に対し、どの政策分野でも汎用的に活用できる能力・スキルを一年目に身につけることを課している。このため一年目は必修科目が四分の三を占める、かなりがっちりとしたカリキュラムになっている。このようなカリキュラムの自由度のなさは、逆にGSPPの卒業生へのしっかりとした品質保証を与えることを可能としている。すなわちGSPPの卒業生は、必修科目を通じて、
・ ミクロ経済学、定量分析の確固としたスキルを持ち(The Economics of Pubic Policy Policy Analysis 、Decision Analysis, Modeling, and Quantitative Methods)
・ Eightfold pathというGSPP流の政策立案の型を身に着け(Introduction to Policy Analysis、Advanced Policy Analysis)、
・ 政治学・リーダーシップ論をベースに公的機関のトップの参謀として効果的な政策立案・実行を担う(Leadership and Strategy、Political and Agency Management)ことが期待されている。

 一方、一年目の必修中心のカリキュラムが終わると、二年目はほぼ自由に選択科目を取ることができるので、各人の政策分野に集中することができる。
 以下に各必修科目に関する概要・感想をまとめる。

The Economics of Pubic Policy Analysis (通年8単位)
 政策立案・評価において経済学(一部ファイナンス)をどのように活用するかを学ぶ。一学期に三回のテスト、二週間に一度のプロブレムセット、一学期に二度のポリシーメモの作成と、手を動かして経済学の基礎を叩き込むと同時に、経済学を「使って」政策を作る訓練を積む。このため、経済学を学んだことがなくても一年目が終わる頃には政策立案に経済学を使えるレベルまで高めることができる。Lee Friedman, Steve Raphael両教授はとにかく教えるのがうまく、自分も含めて経済学に引き込まれてしまう学生は数多い(経済学の博士課程に進むものもいる)。
 この授業の目標は、経済学的に正当な政策を作り、その上で、経済学を学んでいない政治家、政府高官、メディア、NGO等に対して、経済学の専門用語を使わずに彼らを説得できるようになることであった。例えば、行政組織のトップに対するポリシーメモには、経済学の専門用語を使うことが許されていない。
このように、無味乾燥な経済学を学ぶのではなく、いかに経済学を政策立案のツールとして使うかを学ぶ実践的な内容であった。内容はNicholsonの"Microeconomic Theory"とFriedmanの"Microeconomics for Public Policy Analysis"の全範囲である。

Decision Analysis, Modeling, and Quantitative Methods(通年8単位)
 政策の効果を定量的に評価する計量経済学の手法を学ぶ。こちらも経済学同様の宿題・テストの構成でワークロードは重いが、その分得られるものも大きい。この授業の目標は、①自らデータを定量的に分析して仮説を検証できるようになることと、②経済学等の論文を読みこなして政策立案に役立てることの二つである。①については統計分析ソフトSTATA等を用いて、政策に関するデータを計量経済的に分析する手法を学び、練習を重ねる。一方、②については、計量経済的な分析のいわば「賢いユーザー」としての能力を高めることも重視し、経済学の論文を読んで、モデルの立て方にどのような問題があるか、分析結果に異なる解釈がないか、などを検討する訓練を行う。
 内容はWoodridgeの"Introductory Econometrics"とKenkelの"Introductory Statistics for Business and Management"の全範囲である。

Leadership and Strategy(秋学期4単位)、Political and Agency Management(秋学期4単位)
 前者はリーダーシップの諸原則を、ケーススタディや自らの経験に照らし合わせて学ぶ授業であった。クリントン政権時の労働長官で日本でも有名なRobert Reich教授は私が出会った中で最も話のうまい方であり、リーダーシップというとらえどころのないソフトスキルを実体験と結びつけて教えらえる希有な教授であった。後者は政治学(主に連邦政府レベル)、交渉学についてケーススタディやシミュレーションゲームを通じて学ぶ授業であった。
アメリカ流のリーダーシップと政治学、交渉学は、日本の組織においても十分応用可能であり、帰国後の仕事で最も直接的に役立つと感じている。また、アメリカの組織と政治を理解するのに非常に役立つだろう。

留学報告3 選択科目

留学報告4 プロジェクト(IPA)、サマーインターン、修士論文(APA)


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by knj79 | 2010-08-07 17:09 | 公共政策大学院(GSPP)