2008年7月から2年間、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院に留学しています。まとまりのないひとりごとです。


by knj79

環境上の欠乏が引き起こす紛争(ケーススタディ②)

② セネガルのケースを続けて。

セネガルとモーリタニアはアフリカの西端に位置する国です。
1989年に、セネガルとモーリタニアとの国境を区切る
セネガル川流域において、紛争が起こりました。
この紛争は、人為的な資源配分の失敗による紛争の例として
説明されています。

FAO(国際連合食糧農業機関)が1982年に行った調査により、
人口増加を続けるセネガルとモーリタニアは、灌漑や肥料の
大幅な改善による農業効率向上なしに国民を食べさせて
いけないことが明らかになりました。(なるほど。)

これを受け、セネガル・モーリタニア両政府は、国際金融機関
から資金を得、セネガル川流域にダムを建設し、水力発電に活用し、
また耕地の生産性を向上させるための灌漑を行いました。

この結果、セネガル川から農業用の水を引くことができる(つまり
灌漑できる)地域の価値が急速に高まりました。
ここで、モーリタニア政府("white elite"と本文では記されています)は、
土地の所有権に関する法律を書き換え、黒人をその地域から追い出しました。
これは、モーリタニアの上層部はアラブ系白人のムーア人が抑えているという
黒人との人種間対立が背景にあります。

1989年、農業を行う土地を奪われたモーリタニアの黒人のムーア人への
怒りは頂点に達し、大暴動が起こりました。
ムーア人が所有する17,000の商店が破壊され、数千人が死傷する事態と
なりました。その結果、20万人の難民が両国にあふれました。

さらに、モーリタニア政府はセネガル川流域に住む黒人を"Senegalese"と
分類し、土地や家畜の所有権や市民権のはく奪を行いました。
”Senegalese"とされた人々は強制的にセネガルに追放され、彼らはさらに
国境付近での家畜の強奪や紛争を引き起こしました。

と、このように、本ケースは前々回のエントリで述べたESの3つの要因が絡み合って
引き起こしたものといえます。つまり、
① 人口増加とそれに伴う耕地の不足
② 再生可能資源の極端な分配・土地や家畜の所有権変更

特に、大規模灌漑プロジェクトに合わせて②を急激に行った結果、
既存の人種間対立をさらに悪化させ、紛争を
引き起こしたケースといえます。

(取り急ぎの乱文ですので、追って加筆修正します)

本文とは全然関係ないですが、Halfmoon Bayという近くの海岸に行ってきました。あいにくの天気でしたが、太平洋はよかったです。哲学的に何かを考え込むかもめもいました。
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by knj79 | 2008-07-21 02:42 | 環境政策