2008年7月から2年間、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院に留学しています。まとまりのないひとりごとです。


by knj79

「上の層」を吸入する国、アメリカ

前にもこんなことを書きましたが、
アメリカという国は、すごくユニークな国です。
留学生オリエンテーションを含め、数多くの留学生と会話し、
アメリカという国の凄みを感じたような気がしたので、
また乱暴ななぐり書きになりますが、一応仮説を書きとめておきます。

バークレーでもスタンフォードでも、特に研究者・技術者から
よく聞くのは、「このままアメリカに残って仕事をしたい」ということ。
(もっと明確に書くと「祖国には帰りたくない」)
なぜかと聞くと、雑務に煩わされず、厳しい競争だけれど研究や仕事に
集中できる環境があるということでした。

アメリカという国は、古くはアインシュタインから、近年はシリコンバレーの
インド人、中国人まで、他国で育った優秀な層を吸入し、
活力を取り込んでイノベーションを生み出し、その結果世界一の大国として
輝いてきたのではないでしょうか。

もちろん、優秀な層が、知的な作業に集中できるようにするには、
資金、人等の様々なサポートが必要です。
広大で美しく整備されたオフィス、高額なサラリー、事務作業をする
サポートスタッフ、十分な資金。そして最高の競争。
いずれも(おそらく日本を含めて)自国とは比較にならないような
素晴らしさなのです。
要は優秀な人間が知的作業に集中できるように多くの資金投下を
行っているわけです。

イチローや野茂が太平洋を渡ったのも同じ理由ではないでしょうか。
優秀で意欲に満ちた人たちを引き付けるのは、自分の力を最大限発揮する
ための環境でしょう。

ただし、たとえば高等教育に投下できる全体のパイは一定なはずですから、
トップ層に多くを投下するなら、そのしわ寄せは、間違いなくそれ以外の部分に
いっていると思うのです。
平均的に底上げをすることを(おそらく)あきらめ、上の層を伸ばす環境を
完璧に整えることにより、アメリカだけでなく世界中の上の層を取り込むことに
成功しているように思います。
日本なら、「同じ大学なのに不公平だ」という気持ちが先に来ると思いますが、
そもそもそういう考え方は皆無なのです。

バークレーやスタンフォードで、各国のトップ層でありそれぞれの国を
ひっぱっていくことを期待されるリーダーたちが、アメリカに残りたいという
言葉を口にするのを聞いて、アメリカという国の成り立ちと凄みの一端を
理解したような気がしました。

まあ、ほかの国からすると、(自業自得のところはあるとはいえ)
「こっちはこっちの事情があるんだし、うちのエースをとられちゃったら
やってられないよなあ」というしかないですが。
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by knj79 | 2008-08-23 15:24 | その他