2008年7月から2年間、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院に留学しています。まとまりのないひとりごとです。


by knj79

岐路に立つアメリカ ①

ちょっと重いテーマですが、今年(2009年)はアメリカにとってすごく大きな岐路にあたるなあと思ったので、書けるときにぼちぼちと書いていこうと思います。Energy Economicsの授業での議論やグループディスカッションでインスパイアされているうちに。まだまだ思いつきなので、ご意見いただけると嬉しいです。

まず、なぜ2009年かというと、今年のCOP15で京都議定書の次期枠組みを決めるからです。アメリカはポスト京都の枠組みにどうコミットするのか(あるいはまったくしないのか。これはオバマ大統領の立ち位置からしてありえないと思いますが)をある程度決めなければいけませんから。

で、もしコミットを決めるなら、彼らが持つ膨大なcarbon-intensiveな燃料を使いにくくしてしまいます。carbon-intensiveな燃料とは、エネルギーあたりの二酸化炭素排出量が大きい燃料のことです。オバマ大統領は"dirty fuel"と呼んでいます。

で、アメリカはこのcarbon-intensiveな(あるいはdirtyな)燃料を、世界でおそらく一番埋蔵している国なのです。石炭は世界一、重質原油(Heavy Oil)も世界有数、もっとcarbon-intensiveな燃料(Oil shaleなど)も埋蔵しているといわれています。

さらに、アメリカが最も多く石油を輸入している国、カナダはExtra-Heavy Oil(Tar Sand)を世界一埋蔵しています。Albertaのwellにはアメリカの企業が膨大な投資をしており(原油価格の低下で一時停止してますが)、これがうまく商業化すれば、Country Riskのほぼ全くない国から石油を輸入をすることができるわけです。

単にenergy independenceのことを考えるなら、これらの有効活用を考えるのが普通でしょう。が、エネルギーと気候変動は表裏一体。気候変動のことを考え、これらの資源を使わない方向に大きく舵を切るのか、切れるのか、を今年ある程度決めないといけません。
(ある程度、と書いたのは、今年大統領がコペンハーゲン議定書にサインしても来年上院が拒否すれば京都議定書と同様無視することができるからです。三権分立の徹底している国ですからありえるでしょう。)

この国は、日本やEUなどの多くの先進国と違い、エネルギーの消費を促進するような税制を敷いてきました。要は、安くエネルギーを使えるようにしてきました。気候変動政策として、炭素税、排出量取引、あるいは燃料基準の設定、燃費基準の強化、こういったどれをやっても、結果としては値段が上がるのです。そんなことをこの恐慌のさなかにできるのか、しかも、国際公約というアメリカが一番嫌いそうな方法でやれるのか、というのが僕の疑問です。

今日はこの辺で。
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by knj79 | 2009-02-15 08:42 | 環境政策