2008年7月から2年間、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院に留学しています。まとまりのないひとりごとです。


by knj79

オバマ大統領がカナダへ初外遊

オバマ大統領も、これまでの外交の慣例通り初外遊はカナダに行きましたね。主要アジェンダは2つ。貿易と環境だそうです。

しかし、オバマ大統領、就任からわずか1か月ですさまじいスピードで山積する課題に対応しています。

環境の側面からすると、カナダと言えばタールサンド。Extra-heavy oilとも呼ばれる、粘度の高い原油です。こいつを世界一埋蔵するカナダは、いち早く商業化して莫大な利益を得たい。

でも、タールサンドというのは軽質の原油が揮発したあとの残りのようなものなので、とりだすのにも輸送にもとにかくエネルギーを使って二酸化炭素もだしまくる。今の原油価格($40前後)なら商売として成り立つかは微妙だが、この夏のようなOver$100/barrelなら十分利益がでる。技術開発が進めば損益分岐点もずいぶん下がってくるので、カナダとしては開発をしたくてたまらない。

一方、環境NGO(Sierra ClubやEnvironmental Defense Fund)はこのタールサンドを「地球上でもっとも汚い燃料」として使用しないようオバマ大統領に求めています。これももっともな話。

そんなわけで、カナダ側としては、石油輸出の一番のお得意様であるアメリカにこのタールサンドの使用をお願いしたいし(まあ、アメリカがだめなら中国に輸出するよということらしいですが)、環境NGOとしては、オバマ大統領に強くつっぱねてほしいとお願いしたい。というような状況で、大統領、どうするのかしらと思っていました。

で、結果はこんな感じ。

Environment, trade on Obama's agenda in Canada

タールサンドを使わないとはやっぱりいいませんでしたね。発電時に排出した二酸化炭素を分離して貯留。いわゆるCCS(CO2回収・貯留)をするという方向のようです。カナダはタールサンド、アメリカは石炭、ともにエネルギーあたりの二酸化炭素排出が大きい燃料をそれぞれ世界一埋蔵しているだけに、考えることは同じでしたね。そのカードを捨てるのはあまりにナイーブすぎる。

なお、これもまた書きますが、カナダの産業界は、カリフォルニア州政府に対してロビイングを強化しています。それはこのタールサンドの件です。また今度書きます。
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by knj79 | 2009-02-20 12:43 | 環境政策 | Trackback | Comments(0)