政策立案の型を身につける
2009年 04月 07日
その時の先輩方の答えはそれぞれユニークなものだったが、何人かから、「今後、仕事をする際の型となるようなものを得るといいね」という答えを得た。知識は陳腐化するし、いくら追ってもきりがないけれど、考え方の幹となるようなものは陳腐化しない。こういったものを体系的に身につけるには時間がかかるものだけど、大学というところは、体系的に知が得られる貴重な場だよ、というような文脈で。
出願先を決めるに当たり、そういった型・フレームワークの中から何を選択するかを考えた。政策立案の分野でも、法学、都市計画学、工学、様々な切り口がある。担当した仕事に関連して、国際法を専攻することを真剣に考えたこともあった。これまでの経験(過去)を生かしつつ、これからやりたい仕事(未来)をするために足りないピースは何か。出願上の試行錯誤を経て、だした結論が、ミクロ経済学・計量経済学をベースにした政策立案の型を身につけるというものだった。
そしてGSPPの今学期の授業を受けて、自分に必要な型はこれだったんだ、その考えは間違っていなかったと確信を強めた。また、GSPPのカリキュラムはまさにこの目的を達するために作り上げられた非常にユニークなプログラムであり、他にあまり類を見ない大学院であることもよくわかった。
ただし、型はあくまで使ってこそ身につくものであって、ケースをやったりレポートを書いたりしただけで身につくものではない。仕事をする際にはいうに及ばず、ニュースを見たり本を読んだりする際でも、常に経済学的なフィルターを通して考え、四六時中フレームワークを使い倒すことによってようやくしっかりと使いこなせるようになる。その上で、自分なりの修正を加えたり進化させたりできるようになる。
GSPPの僕の一つ上の先輩たちは、それぞれはっきりした目的意識を持ってGSPPでの2年間を最大限活用されていて、いつもすごいなあと尊敬している。僕もそういうふうに留学生活を送りたいものと願いつつ、志に態度がついていっていないと思う。つい最近始まったと思っていた留学生活も早10か月目を迎えようとしており、これまでは大学院になれるので精いっぱいだったけれど、今後は何を身につけて帰りたいのかをより意識しながら、学んでいきたい。