2008年7月から2年間、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院に留学しています。まとまりのないひとりごとです。


by knj79

ピークオイル・気候変動・モータリゼーション②


ピークオイル・気候変動・モータリゼーション①
の続き

幸いなことに、現時点でのUnconventional OilのコストはConventional Oilに比して十分高い。安価な部類に入るサウジアラビア産原油は1バレル2~4ドル、コストのかかるカザフオイルでも1バレル14~18ドルとされる。一方でカナダのタールサンドは30ドル程度という試算から60ドルといったものまで幅があるが、まだ競争力を持つとは言い難い。

さらに、採掘・精製にかかる環境負荷が極めて大きいため、環境規制の厳しさによっても開発の遅れも想定される。また、カリフォルニア州が来年より導入する低炭素燃料規制に類似した規制が他地域にも広がる場合、炭素強度の高いUnconventional Oilの活用には一定の歯止めがかかる可能性はある。

このようにUnconventional Oilの急速な普及はまだ先の話であるが、着実に行われる技術開発により価格低下が見込まれる。また、ガソリンの代替財が存在しない場合、世界的な需要の高まりに伴い価格が高騰しても、消費量は減ることはない。したがって、Unconventional Oilが価格競争力を持つ前に石油の代替財を用意することが、気候変動政策における緊急の課題となる。

石油に代わる交通分野のエネルギー源は多数あるが、価格・エネルギー・環境負荷の面で現在最も有望視されているものが電気である。価格面では、現在のガソリンの数分の一の燃料費で済むと考えられている。また、アメリカの電源構成(石炭火力が5割以上)を仮定しても二酸化炭素の排出を大幅に減じることができるほか、自動車排ガスの問題も解決する。このため、電気自動車(EV)が現在のガソリン車と同等の走行距離・価格で販売されれば、原油需要は電気需要に代替されることが確実だ。さらに、太陽光、風力等の再生可能エネルギー由来の電気の有効活用にもつなげることができる(電力網の安定性が問題となる日本ではこの点は大きいのではないか)。

そのためにクリアすべき充電池の開発支援、充電インフラの整備を、今後10年間で効果的に行い、Unconventional Oilの導入を食い止めることが気候変動政策の中でもっとも重要な分野の一つと言えると思う。
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by knj79 | 2009-04-08 14:06 | 環境政策 | Trackback | Comments(0)