2008年7月から2年間、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院に留学しています。まとまりのないひとりごとです。


by knj79

政策は誰が作るのか

いろいろあって何も書けなかったのだが、放置を続けるとこのまま書かなくなってしまいそうなので、とりあえず何か書こうと思う。

僕は今民間企業で働いているわけだが、扱っている内容は政策とビジネスにまたがる領域だ。チームのメンバーも、半数くらいが政府(州政府、ホワイトハウス、連邦政府機関)での勤務経験があり、政策系のシンクタンク・コンサルでの勤務も含めれば、その数はもっと増える。持っている学位も、MPP、MBA、JDの混成部隊。

このように、政策立案の分野で、官民の人材が入れ替わることを、リボルビングドアという。政府、企業のGovernment relations、大学、NGO、ロビイングファーム(ローファーム)、シンクタンク。場所は違えど、彼らがやっていることは、政策を作り、議会などの場で影響力を行使してその政策を実現させること。政策立案を担う政策プロフェッショナルの人材プールが、アメリカではとても分厚い。

政策は誰が作るのか。

アメリカでは、利害関係者全員、というのがその答えだと思う。政治学でいうところのPluralismである。民主主義国家である以上、各アクターがあらゆる手段を使ってその利害を政策に反映させるようとする。その総体が政策立案のプロセスだ。それを今のインターン先で実感している。

そして、同僚や同級生と話していると、どこにいようと、自分たちがやることは、自分の信じる政策を立案し、実施することなのだから、職を変わることにはあまりこだわりはないみたいだ。パブリックな仕事がしたいから、世の中にインパクトを与える仕事がしたいから、政策を作り続けたい。でも、その場所は、政府でも、ローファームでも、企業でもいい、というのが彼らの意見のようだ。さらにいえば、それぞれ違う立場から同じ問題を見てみたい、というのもあるらしい。

日本でも、政策に携わる人材は、それぞれの機関の特色を踏まえ、どこで自分が一番機能するか、輝けるかを考え、能動的にキャリアを選んでいく必要がある。そういう時代がもうそこまで来ている。
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Commented by とむ at 2009-07-19 13:41 x
いつも興味深く拝読させていただいております。

慶応大学が総合政策学部を開設した際に、「政策」の担い手が政府だけに限らない、ということを強調していたことを記憶しています。評価はいろいろありますが、多様な政策の担い手というのは小泉・竹中時代の間に政府内外に広まった印象があります。政権交代に伴う改革の名の下で旧態然とした政策運営に先祖帰りが進むことが懸念されますが。

「政策」という概念自体が抽象的で日本だと立法や財政支出に目が向きがちですが、公共事業やガイドライン(自主的なものも含めて)作成等々、具体的な「政策ツール」に目を向けると、多様なアクターが参加出来るものであることがわかりやすくなるのに、ユニバーサルサービスとか国民の政策を守るのが政府の仕事というスローガンの下に、そうした柔軟性が失われる形で宣伝されるのは残念ですね。
Commented by knj79 at 2009-08-02 01:25
>とむさん
コメントどうもありがとうございます。

政策の担い手が政府だけには限らないというのは、まさにおっしゃるとおりだと思います。議会制民主主義の日本やイギリスでは、政府内で議論が閉じてしまう傾向があるのですが、アメリカだと、議会の場でがちんこ勝負をしますよね。このことから、アメリカの公共政策大学院では、政府以外にも民間、NGO、研究機関などで活躍する人材も積極的に育てているように思います。
by knj79 | 2009-07-11 17:55 | 環境政策 | Trackback | Comments(2)