2008年7月から2年間、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院に留学しています。まとまりのないひとりごとです。


by knj79

カテゴリ:環境政策( 97 )

年内にも導入がなされるという、太陽光発電による電力の買い取りに関する新制度。制度設計次第でroof top solarの導入がテコ入れされるだろう。

FIT(フィットと発音)が通常満たすとされる条件は以下の二点。

① Fixed price(固定価格)
② Must take(電力会社の購入義務付け)

およそFITと呼ばれる制度はこれらを外していない。①は、導入時に価格を決めてその価格で電力会社は購入を続けるというもの。投資をする側の視点に立つとRevenu streamが確定するわけだから、リスクなしの投資となる。では、燃料等の発電費用の変動に係るリスクは誰が負うのか、というと、電力会社となる。FITの支援者は、投資側のリスクが減じられる分、資本コストが減るという論を張るが、リスクは投資側から電力会社に移るだけで、そのリスクプレミアムを引いた買取契約額になるのでその論点は無効だ。

FITは、経済学的にみるとかなり問題のある制度なので、なんでもいいからとにかく導入しようという姿勢では成功させるのは難しい。そもそもが"Effective but Inefficient"(効果的であるが効率的でない)制度なので、どうせやるなら効率性は犠牲にしても、効果はきっちりと追うべきだと思う。では、どういう価格付けにすれば効果的な支援策になるか。簡単にいうとIRR(Internal Rate of Return)が6-8%くらいになるように買い取り価格を設定するということ。
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by knj79 | 2009-06-08 15:47 | 環境政策
エネルギー関係の仕事に就く友人、先輩、後輩がとても多いので、これまでも「再生可能エネルギーを導入することが難しい理由」を聞いてきたし、これからも話を聞き、その一つ一つにうなづくことになると思う。

ただ、その難しさを踏まえても、エネルギーの自給率が5%以下(原子力除く)である日本は、

・ 再生可能エネルギーを最も必要とする国であること
・ どれだけうまく資源外交を行おうとも、資源を持たない危うい立場にある事実からは逃れられないこと

には変わりない。いかにそれが困難であろうとも、他の国での技術開発を待つのではなく、その困難を自力で乗り越え、再生可能エネルギーの導入を進めることこそが国益だと思っている。

その際、一部の企業にその負担を負わせてはいけない。物事が進まないことにはそうなるべき理由がある。その障害を取り除き、公平な制度設計をした上で、しかるべき主体がしかるべき負担をし、日本が一体となってこの問題に取り組んでいく必要がある。

エネルギー自給率が7割を超える資源大国であるアメリカが、エネルギー自給率の低下を恐れてEnergy Independenceを唱え、再生可能エネルギーの開発に国家をあげて取り組む姿をこの1年間で目の当たりにした。私たちの国は明らかに正しい方向に進んでいない。日本国内での消耗戦をやめ、各分野の力を結集することが必要だ。
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by knj79 | 2009-06-08 11:33 | 環境政策
日本ではあまり知られていないかもしれないが、カリフォルニアの再生可能エネルギーの導入量は、日本の10年先を行っている。そしてその差はさらに広がっていく傾向をみせている。

実は、Renewable energy policy(再生可能エネルギー政策)の枠組み、政策手法に関しては、日本とカリフォルニアは非常に似ている。太陽電池に関しては、カリフォルニア州政府が日本の政策をまねているし、その逆もあるのだろう。とにかく、比較は簡単だ。そして、お互いに学ぶことも多い。

Renewable energy policyの制度設計の柱は、カリフォルニアも日本もRPSである。

RPS = Renewable Portofolio Standard

最近日本でなにかと評判の悪いこの制度であるが、経済学的にEfficientな優れた制度であり、悪いのはゴールの設定が低すぎるということだ。このあたりの制度設計については追って書きたい。

この制度の肝は、

・ Renewable Energyの定義を法律で定め、
・ その定義を満たすRenewable Energyの導入目標を法律で設定し、
・ 電力会社が自ら発電するか購入するかしてその目標を満たすよう努める
・ もし満たすことができなければ電力会社が罰金を支払う

というものである。2,3年のbanking, borrowingを許して柔軟な対応を認めている。

カリフォルニアでも日本でもあまりRenewalbe Energyの定義は変わらないので、単純に数字を比較すればお互いの国の進展がだいたいわかる。

日本の2012年までの目標は、販売電力量の1.6%をRenewable Energyとすること
カリフォルニアの2010年までの目標は、同20%とすること

そして現在、カリフォルニア州は、2020年までの目標を33%とする法案を州議会で審議中である。

(この中には、両国とも大型水力は含まない。)

実は、カリフォルニアではborrowingという制度を活用して実質的には2013年までに20%の目標を達成すればいいので、現状の達成状況はどの電力会社も10-15%といったところだ。その数字でも日本人としては驚きなのだが、さらになんとか目標を達成してペナルティを避けるべく、すごい勢いで数十、数百メガワット級の太陽光発電、太陽熱発電所、風力発電所、バイオマス発電所がカリフォルニア中で設置されている。だいたい自然エネルギーが豊富な地域にはT&D(Transmission & Distribution)がないところも多く、発電所をオンラインにするための投資も急ピッチで進んでいると報じられている。

カリフォルニアは自然エネルギーも土地も豊富ときていて、日本に比べれば格段に恵まれているので単純比較は難しい。しかし、制度設計、電力会社のインセンティブシステムなど、学ぶべき点が多いように思う。日本では正確に理解されていないように思うRenewable Energy Policyについて、カリフォルニアの制度をもとに少しずつではあるがお伝えしていきたい。
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by knj79 | 2009-06-08 01:42 | 環境政策

サマーインターン開始

春学期が終わり、今週から10週間のサマーインターンが幕を開けた。ほとんど息をつく暇もなく、緊張した日々が続いている。内容も、環境も、一緒に働くチームのメンバーたちも、超刺激的で面白く、やりがいがある。

当然のことながら仕事内容については書けないのだけど、働いている会社は、カリフォルニアの巨大エネルギー企業で、僕はそのなかで太陽電池関連の仕事をしている。単なるリサーチではなく、末端ではあるが、現在進行中の大きな意思決定にかかわる仕事をしているので、すごくスピード感があり、リアルで面白い。我々の仕事について、僕のスーバーバイザーが面白いことを言っていた。

Where the rubber hits the road.

タイヤが道路をけって車が走ることをイメージする慣用句なんだそうだ。実際の物事はここで動いているんだ、そして、責任を負うのもまさに我々だ、というという自負を強く感じる。

アメリカに来て、民間企業で、こんな経験ができるとは思わなかった。このポジションはGSPPのエネルギーに興味を持つ学生の中でもおそらく一番人気で、僕の友人もたくさん応募しており、しかも一人しか採用枠がなかった。だから、留学生の僕が選ばれたのは正直不思議で仕方がないし、運がよすぎると思う。この面接の直後いの一番に選んでくれたチームのメンバーに報いるためにも、そして、このポジションを希望していた多くの友人のためにも、ベストを尽くして貢献したいと思っている。
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by knj79 | 2009-05-31 17:25 | 環境政策
資源経済学の古典、Hotellingの論文(1931)からHotelling's Ruleについて、簡単にまとめてみる。何かの参考になれば幸い。

H. Hotelling, (1931). The Economics of Exhaustible Resources. J. Polit. Econ., Vol. 39: 137-175

石油や銅などの有限な資源を、どのような価格設定で、どの程度のスピードで使いきるのが最適なのか。ホテリングのモデル(Hotelling's Model)は、その問に対して、いくつかの仮定のもとでの理論的な解を与える。1931年に発表された本論文は、当時全く関心を払われなかったものの、70年代のオイルショックにおける産油国の価格つり上げが彼のモデルに合致すると思われたことから、経済学者たちから急速に関心を集めた。その後、本論文は資源経済学(Resource Economics)という一分野を築く土台となった。


本論文の背景には、当時盛り上がりつつあった、「石油や鉱物、森林といった天然資源の価格が安すぎるために、過度なスピードで消費されている」という議論がある。では、そもそもどの程度の価格が適当だといえるのだろうか?その価格を決めるクライテリアは何か?また、将来的には枯渇する資源であるのだが、どのような速度で使いきるのが適当と考えられるだろうか?あるいはいつまで枯渇させずに使い続けるのだろうか。それはなぜだろうか。

また、経済学の観点からは、定常生産を際限なく続けることはできない枯渇性資源(通常の生産要素なら可能)を生産する産業は、通常の経済学の理論の枠外であるため、新たに理論を構築する必要があった。

ホテリングのモデルは、枯渇性資源の生産者、たとえば石油会社や鉱山会社の価格設定および生産速度に関する意思決定(挙動)を理論化した。独占、生産コストの上昇、税、不確実性等の要素がどのようにその意思決定に影響を与えるかについて、それぞれ検討がなされている。

本モデルでの主な仮定は以下のとおり。
(仮定①)
通常のミクロ経済学の企業と同様に、生産者は、資源を使いきるまでの期間全体で得る収益(正確にはレント)の割引現在価値を最大化することを目指して意思決定を行う。
(仮定②)
生産者が生産できる資源の総量は一定であり、技術革新等によって変動しない。
(仮定③)
生産者は、資源の総量を把握しており、その上で生産、または保全の意思決定を行う。
(仮定④)
生産コストは一定であり、技術革新等によって変動しない。

これらの仮定を満たすためには、生産者(市場)が決定する資源の価格(=採掘のマージナルコストとマージナルユーザーコスト(=Scarcity Rent)の和)のうち、マージナルユーザーコストが利子率と同じ速度で上昇することが求められる。また、生産者(市場)が供給する資源の量は、この価格を満たすように決定される(生産量を減らしていく)。つまり、Hotelling's Ruleは「効率的な生産・市場において、生産者の利益を最大化するためにマージナルユーザーコストが利子率と同じ速度で増加するPrice-pathを選ぶこと(Pt=P0*exp(rt)」とまとめられる。

Hotelling Modelは、上に述べたとおり、枯渇性資源の生産・消費について新たな理論を構築し、その後の資源経済学の土台となった点で重要である。また、大きな仮定を置いているものの、生産者の行動原理を理論的に証明し、独占や税、不確実性がその意思決定にどのように影響を与えるかの検討にも大きな役割を果たし、政策的なインプリケーションは大きい。

他方、現実への適用という点では、現実的ではない仮説を置いているため、取扱いに注意が必要である。1970年代以降の資源経済学の分野では、多くの資源の価格が低下しているという事実とHotelling's Modelをベースとして、資源の希少性は問題にはなりえないという「実証研究」が多数行われた。しかしながら、以下の理由から誤った結論であるといえる。
まず、過去数十年、技術革新による生産コスト低下(仮定④の破れ)、利用可能資源の拡大(仮定②の破れ)がおこり、供給曲線が右方向にシフトした。まず、これによる価格の低下が起こった。
さらに、生産者は資源量に関する十分な情報を有しているとはいえず(仮定③の破れ)、Hotelling's Modelをもって資源価格等のEconomic Indicatorsが資源の希少性の判定に活用できると考えるのは危険である。

以上のように、Hotelling Model、様々な条件下における枯渇性資源の価格変化及び消費速度に関する貴重な知見を与え、その後の資源経済学の発展の基礎として重要である。しかし、技術開発の顕著な昨今、いくつかの仮説は現実性を失っており、Hotelling Modelの結果のみをもって現実社会に適用することは誤った政策的インプリケーションを得ることになりかねないため、注意が必要である。
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by knj79 | 2009-05-21 07:33 | 環境政策
11時から4時まで学校で打ち合わせをし、同じ家族寮に住むメンバーと打ち合わせ第二ラウンドを僕の家で夕食を食べながらやろうかと提案。8時に彼らが来るので、カレーを作りながら食器を洗う。

さっと野菜を切って鍋に入れ、強火で煮込む間に、急いで食器とまな板をあらう。ぐつぐつと音が聞こえ始め、あ、焦げたら味が台無しになるな、火を弱めなきゃと洗う手を一瞬とめて思う。でも、

焦がすと確かにひどい味になるけど、ニンジンとか玉ねぎみたいな固い野菜はこの短時間でやわらかくしないといけないんだよな。焦がさずに強火で調理したいな。なんで焦げるんだろ。

そもそも焦げるって炭化することだよね、カレーのなべ底付近の部分がガスの火から熱エネルギーを受け取る速度が、上に熱エネルギーを逃がす速度よりも大きいから、その分炭化にエネルギーを使っちゃうわけだ。
(この時点で鍋を輪切りにして考えている)

下の方と上の方の温度差が大きいはずだけど、沸騰で移動しないかな。ああ、粘度が高いから移動は起こりにくいな。熱伝導しか起こってないよ。それじゃ熱移動の速度が遅いから火から受け取って入るエネルギーの移動速度よりも小さいはずだ。(熱伝導より流体の移動による熱伝達の方がずっと早い)

でも、ニンジンとか玉ねぎが柔らかくなるには組織を熱で壊さないといけないから、やっぱり熱エネルギーは強めにほしいなあ。固いのもおいしくない。

やっぱり引き続き強火でエネルギーを多めに入れつつ、鍋をこまめに撹拌して移動で熱移動を作って、炭化する前になべ底の熱を上に逃がそう。

と十秒間くらいお箸を拭きながら考えをまとめる。そのあとは、食器を洗う手を数分ごとに止めながら強火でカレーを煮込み続けた。

結論はなんら特別ではなく、普通のひとならお鍋が吹いてるからかきまぜるか火を弱めよう、となるので、こんな考え方をするのは無駄かもしれない。この程度の、こうなったら、こうするみたいな対処方法がはっきりしているときは、こういうフレームワークは不必要。しかし、目標があるんだけどどうやってやればわからないというときは、原理(フレームワーク)を理解して自在に使いこなせるというのは重要なんだと思う。

こういうエネルギー保存則などの熱力学、移動速度論みたいなフレームワークを通じて物(現象)を見てしまうのが癖になっている理系の人は多いと思う。僕がミクロ経済学とか計量経済学を勉強しながら思うのは、こんな風に、意識することなく自然に、すっと今学んでいるフレームワークを使って政策を考えるようになりたいなということ。そして、そこまで至るには、普段の生活から使い倒さないといけないんだなと思う。

カレーを混ぜてきます。
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by knj79 | 2009-04-26 11:33 | 環境政策

明るい未来イメージ

環境政策でどういう未来を作るのか。
シンプルで、明るいイメージをちゃんともっておきたいもの。
たとえば、僕たちの世代が50歳になる、あるいは僕たちの子供の世代が成人になる2030年の東京。

・ 緑にあふれていて水辺もある(たとえばドイツの都市くらい)。目に入る風景が今みたいに灰色ではなく、緑と水色と光のイメージ。街路樹がたくさん植えられて、緑化が進み、海からの風の通り道ができてヒートアイランドが緩和され、冷暖房によるエネルギー消費も減少。

・ 普通乗用車のほとんどが電気自動車(プラグインハイブリッド車)。排ガスが出ないので、大都市の空気が田舎と同じくらいに澄んでいる。

・ 太陽電池が多くの戸建てについていて、車は原則太陽の光で動いてる。

・ 建材や接着剤から放出される化学物質がぐっと減って室内環境もきれい。子供への健康影響も減る。

・ 印刷物はkindleみたいな電子書籍や電子ペーパーで代替されていて、紙はほとんど使われていない。

・ リユース・リサイクルの市場ができていてごみの焼却・埋め立てが今の1/10。だから焼却炉や埋め立て場が減る。

・ ビル・住宅が長寿命化・グリーン化。コストをかけても長く使う。エネルギー消費が減り、ごみの相当部分を占める建築廃棄物が1/10。

夢みたい?でも20年って技術の進歩的にはかなり長い期間だと思う。世界中は無理でも、日本の大都市ならできる。

突っ込みどころはあるとして、でもこういうイメージを増やしていこう。

さて、レポートに戻ろう。
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by knj79 | 2009-04-22 18:26 | 環境政策

SCEIPのしくみ

サンフランシスコ空港からの帰り道、楽しんでもらえたのならいいのだがと考える。

さて、予想どおり春休みがあけて大量の課題に追われている。そのほとんどがグループワークなので、自分のペースでやるわけにもいかず、ペーパーを書いたりテストを受けたりとはちょっと違った対応が必要だ。一週間は終わったが、ほっとする暇もなく土日にも打ち合わせが入るのは気が休まらない。ま、やむをえないか。

今日は簡単にSCEIPのしくみを御説明。かなりうまくできている。

SCEIPのウェブサイト

世に様々な省エネに関する技術はあるが、消費者がその技術を使ってお得に感じないと普及はしない。まずは環境意識が高く裕福な層をターゲットにするのは正しいが、彼らの投資を引き金に、普通の人がメリットを感じて買ってくれるようにしないと市場の拡大もコスト低下も起こらない。

政策的には、まだ商業的によちよち(だけどあとはコスト次第)の省エネ・新エネ技術の市場に民間資金を流すこと。その際、行政がコストをかけることなく自律的な仕組みを作ることが大切だ。

太陽電池でも、二重窓でも、
① そもそも損をするなら誰も買わない。(ペイバックできない)
② また、長期的にお金が儲かる(割引現在価値で考えてもペイバックできる)としても、初期投資が大きい買い物は心理的にも難しい。
③ それをクリアしても、社会的な信用が低くておかねが借りられない or 金利が高い(クレジットヒストリーが悪い)。そもそも太陽電池買うのにお金は貸せません、という銀行の偏見もある。
というような幾重もの壁がある。

このSCEIPは②、③を解決するものである。(①は大量生産やイノベーションによるコスト低下が必要なのでSCEIPのターゲットではない)

本プログラムは、カウンティ(州の下部自治体。人口46万人)が、一定の要件を満たす省エネ・新エネ投資に対して資金を貸し出す。最低$2500で、上限はない。対象は、家庭、商業施設の両方を含む。

そして、ここがAdministrative costの面で重要なのだが、設備投資をした者は、固定資産税に上乗せして返還をしていく。既存の徴税のシステム使うので、カウンティには資金回収のコストが追加的にかからない。また、ローンのLien(デフォルトした時に優先して差し押さえる権利)をカウンティが有するので、貸し倒れしても資金回収が可能。

太陽電池を取り付けようしている家庭や商業施設にとっては、
・ 銀行ではお金を借りられなくても、技術要件を満たしていればカウンティがお金を貸してくれる。
・ 初期投資がゼロで済むので、手元資金がなくても買える。
・ 民間資金より低金利。
というようなメリットがある。

貸し出しは来月から始まる。
今年度の貸出枠は$20M(20億円)。これから10年間で$100Mにしていく予定だ。今年度はカウンティの基金を取り崩して貸し出しているが、そこはアメリカ、もちろんこのローンも証券化する予定(現在検討中)。
ただし、このプログラムのための行政コストを勘案すると、ブレイクイーブンポイントが$*M(公表されてないので書けない)なので、なんとかこれは初年度に超えたい。自治体でも収支をシビアに考えている。
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by knj79 | 2009-04-11 14:00 | 環境政策
Cool Roof Calculator(米国エネルギー省作成)

あなたのまちのおうちの屋根をCool Roofにするとどれだけコストが削減できるかを計算するサイト。
(アメリカだけですが)

アメリカにはこの手の計算サイトがそこらじゅうにころがっている。日本でも調査で作成したモデルは、ウェブ上でこんな風に公開していきたい。
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by knj79 | 2009-04-11 06:17 | 環境政策

ピークオイル・気候変動・モータリゼーション①
の続き

幸いなことに、現時点でのUnconventional OilのコストはConventional Oilに比して十分高い。安価な部類に入るサウジアラビア産原油は1バレル2~4ドル、コストのかかるカザフオイルでも1バレル14~18ドルとされる。一方でカナダのタールサンドは30ドル程度という試算から60ドルといったものまで幅があるが、まだ競争力を持つとは言い難い。

さらに、採掘・精製にかかる環境負荷が極めて大きいため、環境規制の厳しさによっても開発の遅れも想定される。また、カリフォルニア州が来年より導入する低炭素燃料規制に類似した規制が他地域にも広がる場合、炭素強度の高いUnconventional Oilの活用には一定の歯止めがかかる可能性はある。

このようにUnconventional Oilの急速な普及はまだ先の話であるが、着実に行われる技術開発により価格低下が見込まれる。また、ガソリンの代替財が存在しない場合、世界的な需要の高まりに伴い価格が高騰しても、消費量は減ることはない。したがって、Unconventional Oilが価格競争力を持つ前に石油の代替財を用意することが、気候変動政策における緊急の課題となる。

石油に代わる交通分野のエネルギー源は多数あるが、価格・エネルギー・環境負荷の面で現在最も有望視されているものが電気である。価格面では、現在のガソリンの数分の一の燃料費で済むと考えられている。また、アメリカの電源構成(石炭火力が5割以上)を仮定しても二酸化炭素の排出を大幅に減じることができるほか、自動車排ガスの問題も解決する。このため、電気自動車(EV)が現在のガソリン車と同等の走行距離・価格で販売されれば、原油需要は電気需要に代替されることが確実だ。さらに、太陽光、風力等の再生可能エネルギー由来の電気の有効活用にもつなげることができる(電力網の安定性が問題となる日本ではこの点は大きいのではないか)。

そのためにクリアすべき充電池の開発支援、充電インフラの整備を、今後10年間で効果的に行い、Unconventional Oilの導入を食い止めることが気候変動政策の中でもっとも重要な分野の一つと言えると思う。
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by knj79 | 2009-04-08 14:06 | 環境政策