2008年7月から2年間、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院に留学しています。まとまりのないひとりごとです。


by knj79

カテゴリ:環境政策( 97 )

前にも書いたが、交通分野の独占的なエネルギー源であるConventional Oil(現在使われている石油)の優位性は今後10年以上にわたり揺るがないものの、徐々に中東以外の油田の生産量は減じており、2020年には70%程度の石油生産が中東に集中すると考えられている。

このような地理的な遍在は、輸入国たる先進国にとって、エネルギー安全保障のリスク、及び(ここ数年みられたような投機資金の流入による)急激な価格変動等の国民生活上のリスクをさらに高めることになる。

これら中東の石油は各国の国有企業が管理している。これに手を出せないアメリカ等の石油資本は、先進国に存在するUnconventional Oilの開発を着実に進めることになる。結果、現時点では価格競争力の低いUnconventional Oilへの投資が進み、技術革新が引き起こされ、Unconventional Oilの生産コストは低下する。これにより、Conventional OilからUnconventional Oilへの代替が進む。

(注)Unconventional Oilとは、タールサンド、CTL(石炭を液化して燃料にしたもの)、オイルシェル等の現在商業的に利用が進んでいないものの、今後利用が見込まれ、豊富に存在する液体化石燃料を指す。

さらに、中国を含む多くの国々でモータリゼーションは今後本格化する。DOEの試算では世界の自動車台数(Car & light truck)は2010年の約10億台から2020年に約20億台に到達する。先日販売が決定したタタ社のナノ等、二輪車と同等の価格で購入できる低価格車の導入もそれに拍車をかける。

これら石油の開発・使用に関して今後問題となるのは、その総量ではない。Unconventional Oilを含めた石油の量は、急増する石油需要を長期間にわたって吸収できるほど膨大に存在すると見込まれている。むしろ、炭素強度(単位エネルギーあたりの二酸化炭素排出量)の大きいUnconventional Oilの大量消費による温室効果ガスの放出・気候変動への影響が、その開発・使用の最大の障害となってくる。Unconventional Oilの開発主体が気候変動政策へのロビイングを強化しているのはまさにこの認識による。

したがって、ピークオイル論において本当に問題なのは、原油が足りなくなることではなく、Unconventional OilによるConventional Oilの代替に伴う地球温暖化の加速である。

現時点では交通分野のエネルギー源として、石油(Unconventional Oil含む)の代替財は事実上存在しない。代替財が存在しない必需品の消費を減らすことはいかなる理由があったとしても難しい。たとえば、仮に過去数年のような投機資金の市場への流入による価格高騰が起こったとしても、価格弾力性が非常に低いこのような財の消費は減らない。

このため交通分野からの温室効果ガスの大幅な増加が予想される。しかしながら、世界の温室効果ガスの排出量を2050年までに半減しようとする目標のもとで、交通分野での温室効果ガスの急増を見過ごすことは難しい。
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by knj79 | 2009-03-30 06:11 | 環境政策
春学期も折り返し、一週間の春休み。宿題があるのでほとんど春休みという気はしないのですが。

さて、官邸で気候変動政策に関する中期目標検討委員会が開かれ、各対策シナリオの社会的なコスト(雇用と所得に関する影響)が示されたようだ(まだウェブサイトに資料が掲載されていないので、新聞社のウェブサイトを読んだだけだが)。政策を立案するにあたって、BCA(Benefit Cost Analysis あるいはCBA)をするのはきほんのきなので、まずはCostを分析したということだろう。

次は、Benefitの部分をきちんと示すことが重要だ。アメリカではオバマ大統領が連日アメリカ国民に向け、「グリーンニューディールによる新産業及び雇用創出」を語りかけている。その効果は当然連邦レベルでも計算されているほか、カリフォルニア等の州レベル、さらに大きな自治体レベルでも行われている。今学期の授業のプロジェクトでは、われわれのグループがとある自治体における気候変動政策の雇用への効果を計算している。

Costだけ計算してBenefitを示さないなんてBCAとして考えられないから、温室効果ガス削減部分だけではなく、上記のような産業・雇用への影響を含めて日本でも同様の試算を行い、経済対策としての可能性をきちんと把握してほしい。
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by knj79 | 2009-03-27 17:14 | 環境政策

ForbesのEco-tech eddition

アメリカの環境政策の今を知るのに良いサイト。おすそわけします。

フォーブスのエコテクサイト。

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by knj79 | 2009-03-13 10:00 | 環境政策

プリウスのある町

もうすぐ春学期も折り返し地点。毎日のように宿題と試験。

さて、バークレー周辺には世界中のプリウスが集結しているんじゃないかと思うくらい、プリウスだらけである(少し大袈裟)。東京ではあまりお目にかかることがなかったように記憶しているんだけど、たとえば今日通学のバスに20分乗っていると、14台とすれ違った。多すぎる。オーダーしても何カ月待ちという話も聞いたことがある。

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こんな風に、一つの通り(ブロック)に数台並んでいるのはざら。

バークレー周辺は高級住宅街なので、お金持ちが多い。それに加えて、環境意識も高いのでプリウスが売れるのも当然といえば当然か。そんなことを思っていたら、アメリカでの販売数が100万台突破したというニュースが(アメリカではほとんど報じられていなくて、むしろ、新型のインサイトとプリウスの戦いのニュースをよく見ます。)。フォードのハイブリッドは10万台だとか。

新技術が社会に浸透する速度を規定するおもな変数は、価格、耐久年数、競合する代替財の数、の3つと言われる。車の耐久年数は10-15年で、最速でも新技術の市場占有までに10年かかるわけだけど、市場浸透率のカーブはS字カーブと言われている。つまり、途中まではカーブは寝ているんだけど、ある段階で急激に立ち上がり、普及が進むことが多い。今回の新型インサイト&プリウス投入で価格競争→ハイブリッドカーの低価格化→販売数が加速的度的に増加→ラーニングカーブが進んで生産コスト低下→以下繰り返し、という好循環になる可能性は高い。

ここバークレーなら、あと10年もするとバークレーの車の8割はハイブリッドになっていてもおかしくない。できればそれが日本車であると嬉しい。わくわくしますね。

トヨタプリウスのアメリカでの売上が100万台突破

Toyota and Lexus Hybrids Top One Million Sales in the U.S.

Toyota logo. (PRNewsFoto/Toyota Media Relations)

TORRANCE, CA UNITED STATES

TORRANCE, Calif., March 11 /PRNewswire/ -- Toyota Motor Sales (TMS), USA, Inc., announced today that total combined Toyota and Lexus hybrid vehicle sales in the U.S. have topped the one million mark.

The sales milestone was achieved with an industry-leading six Toyota and Lexus hybrid vehicles including the Toyota Prius, the world's first mass-produced gas-electric hybrid and the all-time worldwide leader in hybrid sales.

With the expansion of its hybrid technology to a diverse group of vehicles, Toyota has commanded nearly 75 percent of all hybrid vehicles sales in the U.S. over the past 10 years. Overall, cumulative worldwide sales of Toyota and Lexus hybrids have exceeded 1.7 million vehicles through January of this year.

"One million hybrids in less than nine years indicates how quickly American consumers have accepted this important technology," said Jim Lentz, TMS president. "Toyota's hybrid leadership will continue to expand in the U.S. and around the globe. With 10 new hybrid models between now and 2012 in various global markets, we plan to sell one million gas-electric hybrids per year, worldwide, sometime early in the next decade."

Toyota pioneered modern gas-electric hybrid technology with the launch of the Prius in late 1997 in the Japan market. Its popularity in Japan encouraged the launch of Prius in the U.S. in July 2000. The first-generation U.S. Prius was a low-volume vehicle (12,000 produced annually) that gained an immediate following, particularly among environmentally conscious consumers.

The second-generation Prius launched in the fall of 2003 as a 2004 model year. With larger dimensions, all-new styling, and Toyota's new Hybrid Synergy Drive technology, Prius became an instant hit. By 2005 Toyota was producing over 100,000 vehicles annually for the U.S. market. Prius had propelled itself from a niche environmental car into a mainstream vehicle for everyday driving needs. With more than 107,000 sales in 2005 Prius became the third-best selling Toyota passenger car in the U.S. after the Camry and Corolla.

From its humble beginnings in the summer of 2000 through February 2009 more than 700,000 Prius have been sold in the U.S., making up more than half of the 1.2 million Prius sold worldwide.

The successful launch of the Prius encouraged expansion of its hybrid technology to existing models in both the Toyota and Lexus lineups. In April 2005, Lexus introduced the crossover RX 400h, the world's first hybrid-powered luxury vehicle. Two months later Toyota launched the Highlander Hybrid sport utility vehicle (SUV).

One year later in April 2006, the Lexus GS 450h made its debut as the world's first front-engine, rear-wheel drive, full-hybrid performance sedan. April 2006 also marked the debut of the Camry Hybrid, becoming the first Toyota hybrid to be built in the U.S.

For the third consecutive year, Lexus further expanded its hybrid lineup in July 2007 with the launch of the LS 600h L luxury hybrid sedan, the world's first vehicle to feature a full-hybrid V8 powertrain. July 2007 saw the arrival of the second-generation 2008 Toyota Highlander Hybrid SUV. The all-new Highlander Hybrid raised the bar once again in the mid-size SUV segment with a complete redesign that was improved, refined and expanded in nearly every metric of comparison.

Ongoing improvement to its hybrid technology continues in 2009 with the summer arrival of the second-generation 2010 Lexus RX 450h. The all-new RX Hybrid will feature an updated version of Lexus Hybrid Drive that will improve fuel economy by up to 20 percent while generating 27 more horsepower than its predecessor.

Spring 2009 will mark the launch of the all-new and vastly improved third-generation Prius. The 2010 Toyota Prius will once again set new standards for innovative hybrid design and technology, raising its level of convenience features and performance to new heights, including a combined EPA estimated fuel efficiency rating of 50 miles-per-gallon.

Finally, late summer of 2009 will see the launch of the 2010 Lexus HS 250h, the world's first dedicated luxury hybrid vehicle. The HS 250h will be Lexus' fourth hybrid and the most fuel-efficient vehicle in its lineup.

"For Toyota and Lexus, 2009 can easily be called 'the year of the hybrid' with three new offerings including our seventh hybrid model with the launch of the Lexus HS 250h," said Lentz. "In addition to our growing hybrid presence over the next few years, expanded hybrid offerings from competitors will not only drive innovation and improvement for consumers, it will continue to help improve the environment and reduce our dependence on foreign oil."

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by knj79 | 2009-03-12 18:54 | 環境政策
先のエントリと関連して、日本の持つソフトパワーについて。

Wikiのソフトパワーの項目では、

ソフト・パワー(Soft Power)とは、国家が軍事力や経済力などの対外的な強制力によらず、その国の有する文化や政治的価値観、政策の魅力などに対する支持や理解、共感を得ることにより、国際社会からの信頼や、発言力を獲得し得る力のことである。対義語はハード・パワー。


と定義されている。

アメリカ人に限らず、各国の友人と話して気づく日本のソフトパワーの源。それは、

・ マンガ・アニメ
・ ゲーム
・ 日本食
・ ハイテク機器
・ 日本車

など。アジア人で宮崎アニメとスラムダンクを知らない人に会ったことがほとんどないし、僕らより下の世代なら、ドラゴンボールとポケモンは世界中で知られている。彼らは僕らと同じくらい、日本のマンガとアニメにどっぷりはまった人たちであると思っていいと思う。
特にアジア人には、宮崎アニメで繰り返し伝えられるメッセージ―自然との共生―がかなり評価が高い。

北カリフォルニアでは、感覚的に7割以上は日本車が占めていると思う。特に環境に関心が高い向きにはホンダの人気は絶大だ。

そして、日本食。健康で質が高いというイメージが定着しているようで、レストランも食材も、とにかく人気が高い。バークレーが特別意識が高いということもあるだろうが、スーパーや大学の売店でさえ日本の製品が売られている。野菜に関しては、Kabocha, Daikon, Hakusai、ありとあらゆるものがそろっている。

さらに、この前同級生から「サムライって本当にもういないのか?」「禅の精神について聞かせてくれ」と聞かれたが、日本人が持っていると考えられている精神性も知名度が高い。

何がいいたいかというと、予想以上に日本に対するイメージが高かった。日本は、「健康で持続可能なライフスタイル」、いわゆるLOHASな国と思われうる可能性を、現時点では持っているのではないか?環境分野で今持っている国際的なイメージは、これまでにないほど高まっているのではないか?

他方で、気候変動分野では「化石賞」という後ろ向きな称号をNGOから与えられ続ける日本。少しずつこの「LOHASな国」という国際的なイメージが棄損されていっていることは間違いない(NGOの発信力は日本で考えているよりも欧米では高い)。このイメージをソフトパワーという資源ととらえ、戦略的に活用することを考えてはどうか。資源は、その可能性をとらえて能動的に活かしていくことで初めて資源となるのだから。
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by knj79 | 2009-03-02 07:31 | 環境政策
オバマ大統領による予算教書演説

短いので全文アップ。
温室効果ガス(GHGs)の排出量取引を導入して収入源としつつ、環境対策に振り向けると。

明日計量経済学の中間試験なので今日はこの辺で・・・。

Thursday, February 26th, 2009 at 10:43 am
Remarks by the President on the Fiscal Year 2010 Budget

REMARKS BY THE PRESIDENT
ON THE FISCAL YEAR 2010 BUDGET
Dwight D. Eisenhower Executive Office Building, Room 350
February 26, 2009

9:55 A.M. EST

THE PRESIDENT: Before I begin, I have some good news to report. Starting today, the recently unemployed will benefit from a COBRA subsidy that will make health care affordable. At a time when health care is too often too expensive for the unemployed, this critical step will help 7 million Americans who've lost their jobs keep their health care. That's 7 million Americans who will have one less thing to worry about when they go to sleep at night. Equally important, it prevents a further downward spiral in our economy by ensuring that these families don't fall further behind because of mounting health care bills. And it is a direct result of the American Recovery and Reinvestment Act that I signed into law the other week -- a recovery plan that has only just begun to yield benefits for the American people.

But while we must add to our deficits in the short term to provide immediate relief to families and get our economy moving, it is only by restoring fiscal discipline over the long run that we can produce sustained growth and shared prosperity. And that is precisely the purpose of the budget I'm submitting to Congress today.

In keeping with my commitment to make our government more open and transparent, this budget is an honest accounting of where we are and where we intend to go. For too long, our budget has not told the whole truth about how precious tax dollars are spent. Large sums have been left off the books, including the true cost of fighting in Iraq and Afghanistan. And that kind of dishonest accounting is not how you run your family budgets at home; it's not how your government should run its budgets, either. We need to be honest with ourselves about what costs are being racked up -- because that's how we'll come to grips with the hard choices that lie ahead. And there are some hard choices that lie ahead.

Just as a family has to make hard choices about where to spend and where to save, so do we, as a government. You know, there are times where you can afford to redecorate your house and there are times where you need to focus on rebuilding its foundation. Today, we have to focus on foundations. Having inherited a trillion-dollar deficit that will take a long time for us to close, we need to focus on what we need to move the economy forward, not on what's nice to have. That's why, on Monday, I held a fiscal summit to come up with a plan to put us on a more sustainable path. And that is why, as we develop a full budget that will come out this spring, we're going to go through our books page by page, line by line, to eliminate waste and inefficiency. This is a process that will take some time, but in the last 30 days alone, we have already identified $2 trillion in deficit reductions that will help us cut our deficit in half by the end of my first term.

For example, Agriculture Secretary Vilsack is saving nearly $20 million with reforms to modernize programs and streamline bureaucracy. Interior Secretary Salazar will save nearly $200 million by stopping wasteful payments to clean up abandoned coal mines that just happen to have already been cleaned up. Education Secretary Duncan is set to save tens of millions dollars more by cutting an ineffective mentoring program for students, a program whose mission is being carried out by 100 other programs in 13 other agencies.

We've targeted almost $50 billion in savings by cracking down on overpayments of benefits and tax loopholes -- that is money going to businesses and people to which they are simply not entitled.

This is just the beginning of the cuts we're going to make. No part of my budget will be free from scrutiny or untouched by reform. We will end no-bid contracts that have wasted billions in Iraq and end tax breaks for corporations that ship jobs overseas. And we'll save billions of dollars by rolling back tax cuts for the wealthiest Americans while giving a middle-class tax cut to 95 percent of hardworking families. But we'll also have to do something more -- we will, each and every one of us, have to compromise on certain things we care about, but which we simply cannot afford right now. That's a sacrifice we're going to have to make.

Now, I know that this will not always sit well with the special interests and their lobbyists here in Washington, who think our budget and tax system is just fine as it is. No wonder -- it works for them. I don't think that we can continue on our current course. I work for the American people, and I'm determined to bring the change that the people voted for last November. And that means cutting what we don't need to pay for what we do.

Now, what I won't do -- as I mentioned at the Joint Session speech a couple of days ago -- what I won't do is sacrifice investments that will make America stronger, more competitive, and more prosperous in the 21st century; investments that have been neglected for too long. These investments must be America's priorities and that's what they will be when I sign this budget into law.

Because our future depends on our ability to break free from oil that's controlled by foreign dictators, we need to make clean, renewable energy the profitable kind of energy. That's why we'll be working with Congress on legislation that places a market-based cap on carbon pollution and drives the production of more renewable energy.

And to support this effort, we'll invest $15 billion a year for 10 years to develop technologies like wind power and solar power, and to build more efficient cars and trucks right here in America. It's an investment that will put people back to work, make our nation more secure, and help us meet our obligation as good stewards of the Earth we all inhabit.


Because of crushing health care costs and the fact that they drag down our economy, bankrupt our families, and represent the fastest-growing part of our budget, we must make it a priority to give every single American quality, affordable health care. That's why this budget builds on what we have already done over the last month to expand coverage for millions more children, to computerize health records to cut waste and reduce medical errors, which save, by the way, not only tax dollars, but lives.

With this budget, we are making a historic commitment to comprehensive health care reform. It's a step that will not only make families healthier and companies more competitive, but over the long term it will also help us bring down our deficit.

And because countries that out-teach us today will out-compete us tomorrow, we must make excellence the hallmark of an American education. That's why this budget supports the historic investment in education we made as part of the recovery plan by matching new resources with new reform. We want to create incentives for better teacher performance and pathways for advancement. We want to reward success in the classroom. And we'll invest in innovative initiatives that will help schools meet high standards and close achievement gaps, preparing students for the high-paying jobs of tomorrow -- but also helping them fulfill their God-given potential.

These must be the priorities reflected in our budget. For in the end, a budget is more than simply numbers on a page. It is a measure of how well we are living up to our obligations to ourselves and one another. It is a test for our commitment to making America what it was always meant to be -- a place where all things are possible for all people. That is a commitment we are making in this, my first budget, and it is a commitment I will work every day to uphold in the months and years ahead.

I want to thank all of you for being here, but I also want to give a special thanks to Peter Orszag, Rob Nabors. They have been working tirelessly in getting this budget prepared, getting it out in a timely fashion. They're going to be doing more work in the weeks to come. And I am absolutely confident that as messy as this process can sometimes be, that we are going to be able to produce a budget that delivers for the American people.

All right. Thank you.

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by knj79 | 2009-02-27 15:22 | 環境政策

オバマ大統領施政演説

オバマ大統領が連邦議会(上院・下院の共同のもの)で施政演説をしました。大統領が議会に姿を現す数少ない機会です。

President Obama’s Address to Congress
Obama Assures Nation: ‘We Will Rebuild’

エネルギー、ヘルスケア、教育。予算の柱はこれら3つになるようです。エネルギーのところだけ抜粋。

It begins with energy.

We know the country that harnesses the power of clean, renewable energy will lead the 21st century. And yet it is China that has launched the largest effort in history to make their economy energy efficient. We invented solar technology, but we've fallen behind countries like Germany and Japan in producing it. New plug-in hybrids roll off our assembly lines, but they will run on batteries made in Korea.

Well, I do not accept a future where the jobs and industries of tomorrow take root beyond our borders, and I know you don't, either. It is time for America to lead again.

(APPLAUSE)

Thanks to our recovery plan, we will double this nation's supply of renewable energy in the next three years. We've also made the largest investment in basic research funding in American history, an investment that will spur not only new discoveries in energy, but breakthroughs in medicine, in science and technology.

We will soon lay down thousands of miles of power lines that can carry new energy to cities and towns across this country. And we will put Americans to work making our homes and buildings more efficient so that we can save billions of dollars on our energy bills.

OBAMA: But to truly transform our economy, to protect our security and save our planet from the ravages of climate change, we need to ultimately make clean, renewable energy the profitable kind of energy.

So I ask this Congress to send me legislation that places a market-based cap on carbon pollution and drives the production of more renewable energy in America. That's what we need.

(APPLAUSE)

And to support -- to support that innovation, we will invest $15 billion a year to develop technologies like wind power and solar power (OTCBB:SOPW) , advanced biofuels, clean coal, and more efficient cars and trucks built right here in America.



感想はまた追って。
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by knj79 | 2009-02-25 15:26 | 環境政策
抽象的ですが、考えのメモ。


世の中には、止めようとしてもなかなか止められないことがたくさんある。


それに適切に、有効に対処することが、すなわち政策の存在意義なのだと思う。


環境政策に限らず。


対応の仕方は3つある。

① とはいえ止める。本来向かうはずの方向とは逆のインセンティブを与えて、何としても止める。

② 真正面から止めるのを諦めて、その対象がある方向に向かう力をうまく利用して持っていきたい方向にずらす。結果として目的を達成する。

③ 止められないものが運よく芽の段階で見つかった時は、早く摘む。問答無用で摘む。

どういうときに使えるかというと、

①が可能なのは、それを看過することによって甚大な損失が生じることが明白な時。かつ、止めるにもこちらの多大なリソースが必要なので、その数が少ない時にのみ適用が可能。

②が一番汎用的で、こういうときにしか使えない、ということはない。

③が可能なのは、将来甚大な損失を生じるであろう事象が明白なとき。とはいえ、起こっていないことが「明白」なことはまずなく、反対も大きい。

そして、僕はアメリカに②を学びに来たのだと思う。
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by knj79 | 2009-02-23 08:35 | 環境政策
カリフォルニア州で温暖化対策政策(気候変動政策)にかかわる人たちは、自分たちの政策が世界最先端だと信じて疑っていない。確かに、政策体系を学ぶにつれ、これはなかなか大したものだと思うようになった。さらに、2012年までには、さらに進んだ地域になる可能性は高い。

日本ではそれほど知られていないかもしれないが、カリフォルニア州では、官民が連携してすごいスピードで物事が進んでいる。2006年に地球温暖化対策法(Global Warming Solution Act: so called "AB32")が制定。昨年(2008年)12月に具体的な対策をまとめたScoping PlanをCARB(California Air Resource Board)が承認。これを受けて2010年までに関係法令をすべて制定し、2012年から施行することとなっている。詳細は後述する。

そして、これまでに得た情報から、カリフォルニアこそ、イノベーションをてこに世界初の低炭素社会を作ってしまう「国(State)」ではないかと思うようになった(なお、カリフォルニアは、人口、州内総生産、州政府の法的な権限、どれをとっても国と呼んで差支えないレベルの地域だ)。なぜなら、これほど低炭素社会を作るのための必要条件がそろった場所は、世界を見渡してもないからだ。

カリフォルニアの特殊性を、UC DavisのDaniel Sperling教授らは、著書"Two Billion Cars"でこうまとめている。

・ Visionary political leadership(シュワルツネッガー知事の超党派の(Bipartisan)リーダーシップ)

・ Experienced government agencies(CARB等、世界の自動車規制をリードしてきた環境政策を担当する経験豊富な州政府)

・ Accomplished research institutions(世界のトップ10に入る研究機関であるUCバークレー、スタンフォード、Cal tech+ローレンスバークレーやロスアラモス等の国立研究機関)

・ Technically sophisticated entrepreneurs(シリコンバレーのアントレプレナー・技術者)

・ A large venture capital community(イノベーションに資金を供給し、経営を指南するベンチャーキャピタルの集積)

・ Environmentally savvy consumers and voters(世界で最も環境意識が高いとも言われるカリフォルニア州の消費者、有権者たち)

(続く)
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by knj79 | 2009-02-22 10:07 | 環境政策
オバマ大統領も、これまでの外交の慣例通り初外遊はカナダに行きましたね。主要アジェンダは2つ。貿易と環境だそうです。

しかし、オバマ大統領、就任からわずか1か月ですさまじいスピードで山積する課題に対応しています。

環境の側面からすると、カナダと言えばタールサンド。Extra-heavy oilとも呼ばれる、粘度の高い原油です。こいつを世界一埋蔵するカナダは、いち早く商業化して莫大な利益を得たい。

でも、タールサンドというのは軽質の原油が揮発したあとの残りのようなものなので、とりだすのにも輸送にもとにかくエネルギーを使って二酸化炭素もだしまくる。今の原油価格($40前後)なら商売として成り立つかは微妙だが、この夏のようなOver$100/barrelなら十分利益がでる。技術開発が進めば損益分岐点もずいぶん下がってくるので、カナダとしては開発をしたくてたまらない。

一方、環境NGO(Sierra ClubやEnvironmental Defense Fund)はこのタールサンドを「地球上でもっとも汚い燃料」として使用しないようオバマ大統領に求めています。これももっともな話。

そんなわけで、カナダ側としては、石油輸出の一番のお得意様であるアメリカにこのタールサンドの使用をお願いしたいし(まあ、アメリカがだめなら中国に輸出するよということらしいですが)、環境NGOとしては、オバマ大統領に強くつっぱねてほしいとお願いしたい。というような状況で、大統領、どうするのかしらと思っていました。

で、結果はこんな感じ。

Environment, trade on Obama's agenda in Canada

タールサンドを使わないとはやっぱりいいませんでしたね。発電時に排出した二酸化炭素を分離して貯留。いわゆるCCS(CO2回収・貯留)をするという方向のようです。カナダはタールサンド、アメリカは石炭、ともにエネルギーあたりの二酸化炭素排出が大きい燃料をそれぞれ世界一埋蔵しているだけに、考えることは同じでしたね。そのカードを捨てるのはあまりにナイーブすぎる。

なお、これもまた書きますが、カナダの産業界は、カリフォルニア州政府に対してロビイングを強化しています。それはこのタールサンドの件です。また今度書きます。
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by knj79 | 2009-02-20 12:43 | 環境政策