2008年7月から2年間、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院に留学しています。まとまりのないひとりごとです。


by knj79

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信念と政策

NYから友人とその家族が来てくれて、楽しい週末を過ごすことができた。
ヨセミテ公園への道すがら(車で4時間かかります)、
久しぶりにまじめなことからふまじめなことまで話して、
いろいろと考えることがあった。

政策を生業にすることには、大きな特徴がある。
単なる手段・手法の話を超えて話が煮詰まると、
政策立案者である一個人の価値観や世界観が否応なく問われる仕事だ。
当然のごとく、各人の価値観や世界観は異なり、
さらにいえば対立することが少なくない。

そこで効いてくるのが、どこまでそれを信じているか=信念の強さであり、
その信念を他者に共感させ、動かす力なのだろう。
(GSPPの必修授業である"Leadership and Social Change"は
 こういう力を向上させるためにあるんでしょうね)

機会平等を求めるか、結果平等を求めるか。
どこまで個人間の、世代間の、各国間の格差を許容するか。
少数の個人の犠牲は、集団のためにどこまで求められるのか。
あるいは倫理的に認められるのか。

こういった問題を考えるときの前提は、個人の価値観や世界観である。
もちろん意思決定は国民から信任を受けた政治家が行うのだけれど、
政策に携わる人間はみな、こういった価値観や信念に非常に意識的である
必要があると思う。

こうした信念が求められる仕事というのもそれほど多くないと思う。
もちろん、それは必要条件であって、十分条件では決してないのだけれども。
だからこそ政策に携わることは難しいけれどもエキサイティングで、やりがいがある。
多くの人が公的な仕事に引き寄せられるのはこういう点にあるんだろうな、
と思いました。

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by knj79 | 2008-08-30 04:01 | キャリア | Trackback | Comments(2)
もうすぐ9月に入り、大学院への出願作業を本格的に
始められる方も多いかと思います。

公共政策系でいうと、昨年は12月1日(プリンストン等)
12月15日(バークレー等)、1月4日(ハーバード)、
1月10日(MIT等)、1月15日(SAIS、ミシガン等)
というような締切だったと記憶しています。
バークレーは今年も同じ12月15日でしたが、
他の大学については個別にウェブサイトでご確認ください。

自分の場合、8月に留学が決まって4か月での出願作業は
非常に短く、締切間際にハラハラしておりました。
希望していた大学には全部出願できたのですが、
準備が遅れて、もれなく締切の1日前あるいは当日の提出と
なりました。

ひやっとしたのが、
・ TOEFL、GREの送付
  → ETSから直接送ってもらうことになるのですが、
    アメリカ国内なのになぜか非常に時間がかかる。
    (たしか2週間?余分にお金を払えばもう少し
    早く送れますが。)
    出願する可能性がある程度固まったら、すぐに
    送付を依頼することをお勧めします。
    電話で申請できます。

・ 出願アカウントの作成
  → アカウントを作成してからでないと入手できない情報も
   あるので、これは10月に出願プロセスがオープンになったら
   すぐにやるべきでした。(僕は11月末にのんびりやって
   焦りました)

・ 推薦状
  → 学校によって推薦者の指定があるのですが、その割合が
    大学の先生と職場関係が2人:1人や1人:2人だったりする。
    つわものは気にせず同じ推薦者で出願しますが、
    出願間際にはそういうリスクをとりたくなくなります。
    推薦状は先方のご都合があるので、その割合をまっさきに
    調べて、余裕を持って出願校の要求にあった推薦者に
    お願いすることをお勧めします。

・ 出願書類郵送
  → 基本はオンライン出願ですが、一部の学校は郵送も
    求めてくる。FEDEXだと1日でアメリカまでつきますが、
    1通5千円近くします。EMSなら3日程度で到着して
    費用は4分の1ですので、お早めに。
    (5千円は高かった・・・)

なお、大学の成績証明も1週間くらいかかるとおもっておいた
方がよいので、これは今すぐ日・英のものを10通程度申請すると
気が楽です。手続き等は大学のウェブサイトにのっていますので。

僕の場合は、細かいところに落とし穴があったので、
また思いついたことは書き込んでいきたいと思います。
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by knj79 | 2008-08-29 18:17 | 大学院出願 | Trackback | Comments(0)
ウェブサイトに、来年度入学用のパンフレットがアップされました。

よくまとまったパンフレットだと思うので、GSPPへの出願をご検討の方は、ぜひご覧ください。

ちなみに、どの大学院も、9月末までには来年秋入学の
出願情報が出そろいますので、10月に入るころには、
出願校のウェブサイトを確認するのが良いと思います。
(9月中はまだ去年の情報のままであることが多いです)

また、出願が確定している学校があるのであれば、
何度もスクリーンで見直すのは疲れますし、
なにより見落としがでるので、
プリントアウトして十分確認されることをお勧めします。
僕は4校(バークレーGSPP、MIT、ジョンズホプキンスSAIS、
ハーバードMPPをプリントアウトしてそれぞれ紙ファイルで
一元的に管理していました)

また出願等に関して質問などありましたら、コメント欄を
通じて気軽にどうぞ。
MPPやMPA、MIAの情報はMBAに比べて少ないですから。
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by knj79 | 2008-08-29 13:41 | 公共政策大学院(GSPP) | Trackback | Comments(0)

秋学期開始

本日、8月27日から大学院の授業が始まりました。
教科書やリーディングマテリアルが4科目で12冊程
あるのですが、本日配布されたシラバスによると、
一日平均100ページ以上読まないといけないみたいです。

英語で100ページ!?

中身はずっと集中的に勉強したかった経済学や政治学なので、
思う存分勉強できる幸せをかみしめるしかないですね(泣)。
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by knj79 | 2008-08-28 10:39 | 公共政策大学院(GSPP) | Trackback | Comments(2)

ヨセミテ国立公園写真館

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by knj79 | 2008-08-27 16:53 | その他 | Trackback | Comments(0)
前にもこんなことを書きましたが、
アメリカという国は、すごくユニークな国です。
留学生オリエンテーションを含め、数多くの留学生と会話し、
アメリカという国の凄みを感じたような気がしたので、
また乱暴ななぐり書きになりますが、一応仮説を書きとめておきます。

バークレーでもスタンフォードでも、特に研究者・技術者から
よく聞くのは、「このままアメリカに残って仕事をしたい」ということ。
(もっと明確に書くと「祖国には帰りたくない」)
なぜかと聞くと、雑務に煩わされず、厳しい競争だけれど研究や仕事に
集中できる環境があるということでした。

アメリカという国は、古くはアインシュタインから、近年はシリコンバレーの
インド人、中国人まで、他国で育った優秀な層を吸入し、
活力を取り込んでイノベーションを生み出し、その結果世界一の大国として
輝いてきたのではないでしょうか。

もちろん、優秀な層が、知的な作業に集中できるようにするには、
資金、人等の様々なサポートが必要です。
広大で美しく整備されたオフィス、高額なサラリー、事務作業をする
サポートスタッフ、十分な資金。そして最高の競争。
いずれも(おそらく日本を含めて)自国とは比較にならないような
素晴らしさなのです。
要は優秀な人間が知的作業に集中できるように多くの資金投下を
行っているわけです。

イチローや野茂が太平洋を渡ったのも同じ理由ではないでしょうか。
優秀で意欲に満ちた人たちを引き付けるのは、自分の力を最大限発揮する
ための環境でしょう。

ただし、たとえば高等教育に投下できる全体のパイは一定なはずですから、
トップ層に多くを投下するなら、そのしわ寄せは、間違いなくそれ以外の部分に
いっていると思うのです。
平均的に底上げをすることを(おそらく)あきらめ、上の層を伸ばす環境を
完璧に整えることにより、アメリカだけでなく世界中の上の層を取り込むことに
成功しているように思います。
日本なら、「同じ大学なのに不公平だ」という気持ちが先に来ると思いますが、
そもそもそういう考え方は皆無なのです。

バークレーやスタンフォードで、各国のトップ層でありそれぞれの国を
ひっぱっていくことを期待されるリーダーたちが、アメリカに残りたいという
言葉を口にするのを聞いて、アメリカという国の成り立ちと凄みの一端を
理解したような気がしました。

まあ、ほかの国からすると、(自業自得のところはあるとはいえ)
「こっちはこっちの事情があるんだし、うちのエースをとられちゃったら
やってられないよなあ」というしかないですが。
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by knj79 | 2008-08-23 15:24 | その他 | Trackback | Comments(4)
「先進諸国が主導して作りだした世界システムに、天然資源に恵まれた後発の途上国が参入して近代国家を形成する過程は、地元の地域社会にあった資源の管理権を政府の管理に集中させ、そこからさらに世界市場へと吸い上げていく過程でもあった。

それまで資源環境を維持するうえで中心的な機能を果たしてきた村やその集合体が織りなす土着のシステムはほとんど崩壊し、国際社会と政府の役割を視野に含めた新しい形の管理形態が模索されている。」


佐藤仁 (2004), 「『国際協力』が生み出す新たな問題」, 国際協力学 P210

今のクラスメートには、途上国政府や中央銀行の人たちがかなりいるので、いろんな話をする。医療制度の話になっても、教育制度の話になっても、結局はお金がないんだよという話になる。90%の人口が1日2ドルの収入しかないのに、どうやって医療保険の財源を確保しろっていうんだ?と。

これは① 公的部門全体の予算が足りない=全体のパイの問題、② 予算執行が非効率(特に汚職や官僚性の非効率)=資源配分と実施の問題、という二つの問題に分けられるんだと思うんだけど、実は①だけでなく②だって経済の発展度合いの関数である。明らかに。

ということで、先進国以外の国(中進国含む)は経済発展を遮二無二目指す。それが達成されなければ社会的なインフラが整わないというのは、歴史に裏打ちされた事実ではあるからだ。

そして、後発の途上国(のDecision Maker)は、経済発展を目指して、冒頭の引用のとおり先進国が用意した資源吸入システムに自らの意思で組み込まれていく。

そうして行われる農業や鉱業は社会、環境面で様々な問題を引き起こしていることは事実。参加型開発などの開発潮流がもう20年前からでてきてはいるけれど。。

持続可能な開発、という言葉が空虚に響くこともある。この美辞麗句を少しでも現実のものにするために、実務的なレベルで僕に何ができるかを静かに考え、学んでいこうと思う。
難しいんですが、少なくとも経済開発について学ぶ必要があることを、ひしひしと感じています。

セイザータワーからサンフランシスコ湾を望む
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by knj79 | 2008-08-23 14:18 | 環境政策 | Trackback | Comments(2)
最近は何をしてるのかと申しますと、朝9時から12時まで、
先週火曜日から毎日Math Reviewという数学の復習を
しています。

最初は分数から始まって、僕を含めたアジア人はぽかんとした
顔をしていましたが、ようやく偏微分までたどり着きました。
対数の微分など、ちょっと忘れたなあと思うものも、
問題を前にすると自動的に手が動いて答えが出てくるのには
日本の数学トレーニングに感謝せねばならんなと思うのでした。

さて、午後は今日明日とGSPPのオリエンテーションです。
(留学生向けのオリエンテーションは月曜、火曜にありました。
 下の写真のホールで。)

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今年の同級生の顔ぶれも発表され、だいたい顔と名前が一致するように
なってきました。

1.入学者数
 76人(男性 34人(45%)、女性 42人(55%))

 留学生 24人(32%)
   アジア 16人
    インド4、パキスタン4、中国3、日本2、韓国2、マレーシア1
   中南米 5人
    メキシコ、チリ、ペルー、コロンビア、エクアドル 各1
   その他 3人
    カナダ、フランス、ニュージーランド

 アメリカ人 52人(California 31人, Other State 21人)

2.年齢等
 平均年齢 26.6歳

 分布 21歳~35歳

 平均就労年数 3.3年

去年の数字はこちら
今年は留学生と男性の割合が増えていますね。
一方、平均年齢と平均就労年数が下がっています。
アメリカ人は年齢と就労年数が一致しないことが多いのですが、
みんな結構飛び級をしていて、20歳や21歳で大学を卒業をしているんですね。

あと、僕はInternationa Houseという寮に入居しているのですが、
クラスメートのうち、少なくとも6人が住んでいることが判明。ラッキー!
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by knj79 | 2008-08-22 13:35 | 公共政策大学院(GSPP) | Trackback | Comments(0)

8月なのに・・・

寒流に接するサンフランシスコに比べて、サンフランシスコ湾を
挟んだバークレーは意外と暖かいなあというのが、バークレーに
住んでみた感想です。
電車で30分程度の距離でも、地形によっては気候が変わるもんだなと
実感しております。

おりましたが、今日8月19日の時点で、暖房を入れています。
太平洋からサンフランシスコ越しに雲が押し寄せると、
夏とは思えない寒さです!

たまにはこういう日もあるんですね。

#追記 この日もお昼から晴れ渡り、結局いつもどおり暖かな一日でした。
     不思議な気候です。
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by knj79 | 2008-08-20 00:22 | ベイエリア | Trackback | Comments(0)
アメリカは車社会であるということはよく言われることであり、
実際車がないと生活していけないように都市が作り上げられて
います。
ガソリン価格の高騰がアメリカ社会に与える影響は、日本よりも
おそらくずっと大きいでしょう。

そんななか、僕の住んでいるバークレーと、湾をはさんで対岸にある
サンフランシスコは、車なしで生活できるほど公共交通機関が
発達した地域なのです。
これには、クラスメートのKさんともども、「結構アメリカもやるねえ」と
驚いているところです。

両都市とも、公共交通の中心をなすのは、バス。
バークレーでは、ACトランジットというバス網が非常に発達しています。
① 10分から15分に一度、ほぼ時間通りに到着すること
② 市内をくまなくカバーし、乗り換えればだいたいどこへもたどりつけること
の二点から、日本の大都市とそん色ない交通機関となりえているように
思います。(まだ使い始めたばかりなので、感想は変わる可能性があります)

日本でも、地方都市では一人一台車を運転するのがあたりまえの時代です。
結果、バスや電車は収益悪化から、路線廃止が相次ぐ、といった傾向にあります。
その一方で、二酸化炭素削減を目指し、路面電車(LRT)の敷設が各地で
検討されています。

ただ、市民の足として機能するためには、上記①②を徹底的に達成しないと
ならず、中途半端なものでは車の利便性に負けてしまうよなあと実感しました。
やるなら徹底的にやらないと、効果はゼロかもしれません。
特に②の条件を満たすためには、線路の敷設等の初期投資が不要な
バスというのは有効な選択肢となるのではないかと感じました。
素人考えではありますが。

などとつらつら考えながら、バスに揺られて寮に帰ってきたのでした。
明日は引っ越しの日です。
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by knj79 | 2008-08-17 13:59 | UCバークレー | Trackback | Comments(0)