2008年7月から2年間、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院に留学しています。まとまりのないひとりごとです。


by knj79

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今学期はIPA(政策分析入門)とエネルギー経済学の2つでグループプロジェクトがあり、両方とも第一希望のグループにアサインされました。Yay!

運よく両方ともエネルギー・気候変動関係のプロジェクトです。

ひとつめは、エネルギー経済学のプロジェクトで、カリフォルニアのHeavy Oil(Heavy Crude Oilともいう。下記参照)採掘のプロジェクトを経済採算性、法・政治的なフィージビリティ、技術的な側面から評価をするというもの。

もうちょっと書くと、

1)カリフォルニアのHeavy Oil生産の現状及び今後の生産拡大のポテンシャル
2)今後のHeavy Oil採掘の技術的な課題
3)Heavy Oilの輸送の課題
4)採掘・輸送の環境上の課題
5)採掘・輸送コストと、ガソリン価格の上下を考慮に入れたプロジェクトの経済採算性・ファイナンス
6)現状、今後の法的・政治的な課題

を評価するというもの。6人がアサインされているので、一人一つを主に担当することになりそうです。エンジニアリングの学生が多いので、僕はおそらく5)か6)かな。

プロジェクトの進捗はまた追って!

Heavy Oilについて
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by knj79 | 2009-01-30 06:57 | 公共政策大学院(GSPP) | Trackback | Comments(4)

専門家の説明責任

根本的にアメリカと日本で違うなあと思った話。そして、日本の致命的な欠陥かなと思った話。

大学院の授業(特に経済学関係)で、口をすっぱくして言われるのが、「○○(たとえば経済学・ファイナンス)の知識が全くない政治家、メディアに向けて、彼らにわかる言葉で説明し、納得させ、彼らを動かせ」ということ。

必ずと言っていいほど、どの授業でも言われます。

つまり、専門家が政策を考えたら、政策をcommunicate, persuadeできるかどうかの責任は、聞き手ではなく、話し手、書き手の専門家側にあるということですね。

僕はこのことに全面的に賛成で、知識が爆発的に増えている現代における専門家の最も重要な責務の一つだと思っています。

東大の小宮山先生(総長)が昔からよく言っている「知識の構造化」という概念はおそらく同じ問題意識から発しています。その問題意識とは、「20世紀以降知識が爆発的に増えて、一人ひとりの人間が処理できる総量をはるかに超えている。各人は問題解決のためにディシプリンの中で知識を深堀せざるをえず(これはドラッカーさんも同じことを言っています)、一人の専門家がその他の分野の詳細を理解することは現実的に不可能。他方、環境問題など人類が直面する問題は異なる分野の知識(理学、工学、法学、経済学、社会学etc)を必要とする。そのため、それぞれの専門家が自分の分野について、知識を持たない他の専門家にわかるように説明し、異分野の専門家同士が協働することが絶対的に必要になってくる。」ということだと思います。

そして、専門家がこのきわめて重要な責務について認識していないことが(あるいは認識していても十分にできていないことが)、日本が分野横断的な問題に対して大きなビジョンを描けない理由の一つだと思います。要は、自分の分野以外の専門家と協働するのを妨げているんじゃないかと。そして、グリーンニューディールや気候変動みたいな経済、社会、環境を横断する総合的な問題に関する日本の戦略を考える上で、この欠点は致命的なのではないかと不安になります。

政治家やジャーナリストが経済学や科学技術の初歩を知らない、確かに情報の送り手としては「もっと勉強してほしい」と思うかもしれない。でも、彼らには彼らの分野があって、それを彼らに理解してもらえていないことの責任は、経済学や政策や科学技術の専門家の側が伝えられていないことに帰すると考えるべきなんじゃないだろうか。フラストレーションがたまるとしても、です。

最近読んだ日本語で書かれた文章で、「わからないやつが悪い。こんなことも知らないのか」という論調が多いので、「それってちょっと違うんじゃないの?」と思って思わずつれづれと書いてしまいました。

この「伝える」ということに関しては、やっぱりアメリカはたいしたもんです。
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by knj79 | 2009-01-29 17:50 | 公共政策大学院(GSPP) | Trackback | Comments(10)
授業開始から1週間が過ぎ、履修科目を確定しました。
今学期は授業が面白い!先学期で勉強した公共政策の基礎(経済学、統計学、政治学)はおもしろかったのですが、実際に政策を作る時にどう使えるかリンクを見つけることが難しかったです。今学期は、その基礎を使って実際に政策を作るトレーニングをするので、さすがにモチベーションが上がります。

今学期の履修科目は4科目。①から③までが必修科目で、政策立案者としてのコアスキルを身につけるものです。④はEcological EconomicsのFounderとされている、Norgaard先生のEnergy Economics。15人の大学院らしい少人数なクラスで、今学期はこれと①のIPA(自治体等へのコンサルプロジェクト)が中心になりそうです。

また、科目選択を見てわかるとおり、経済学づいているので、今学期は経済学とファイナンスをきっちりと勉強してフレームワークを頭の中に叩き込みたいです。

① Introduction to Policy Analysis(公共政策入門)

Eugene Bardach, Margaret Taylor, Dorothy Thornton

This introductory course will integrate various social science disciplines and apply these perspectives to problems of public policy. Throughout the academic term, students will apply knowledge of politics, economics,
sociology, and quantitative methods in the analysis of case studies of policymakers and managers making decisions. Students learn to use the techniques of social science to evaluate projects and programs. Course
will include the preparation of a major paper for a client.

② The Economics of Public Policy Analysis(ミクロ経済学II)

Lee S. Friedman

Theories of microeconomic behavior of consumers, producers, and bureaucrats are developed and applied to specific policy areas. Ability to analyze the effects of alternative policy actions in terms of
1) the efficiency of resource allocation and 2) equity is stressed.
Policy areas are selected to show a broad range of actual applications of theory and a variety of policy strategies.

③ Decision Analysis, Modeling, and Quantitative Methods(計量経済学)

Rucker Johnson

An integrated course on the use of quantitative techniques in public policy analysis: computer modeling and simulation, linear programming and optimization, decision theory, and statistical and econometric analysis of
policy-relevant data. The student develops a facility in distilling the policy relevance of numbers through an analysis of case studies and statistical data sets.

④ Energy Economics(エネルギー経済学)

Richard Norgaard

This course emphasizes the economics of energy supplies and transport and energy supply transitions. It does not address electricity markets or end uses of electricity. It will use current issues (from the “simple” to complex: Alaska petroleum development, the transition from fossil to renewable energy, and climate change) and systematically proceed from the basic engineering economics of energy supply, to economic theories of long run resource use, to how, to the broad central theme of the course, the problem of “how do we know,” the related problem of stability in economic systems, and how instabilities might be overcome. The parallels between the problems of knowing and the course of market development and issues of market stability that are raised by energy supply systems and the problems of knowing raised by financial systems are not purely coincidental.
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by knj79 | 2009-01-29 14:05 | 公共政策大学院(GSPP) | Trackback | Comments(0)
今日は時間がないので、アメリカの自動車燃費規制強化に関する記事を貼り付けておきます。

A clean-air choice for Obama

Obama’s Order Is Likely to Tighten Auto Standards

これまで何度も法案が提出され、デトロイトにより20年以上強化を阻止され続けてきたアメリカの燃費規制も、ついに強化されるときが来たようです。

関連エントリ

アメリカ議会の潮目は変わるか?

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by knj79 | 2009-01-26 13:43 | 環境政策 | Trackback | Comments(0)

誕生日

金曜日、朝6時半に妻に起こされ2階に下りると、サプライズで手作りケーキが待っていました。その後授業に出て、タイレストランで妻と一緒にランチをし、近くの映画館で"Slumdog Millionaire"を見ました。素敵な誕生日でした。
メール等でメッセージをくださった皆さん、どうもありがとうございました。

ひとつの区切りの日ということで、せっかくなので20代のおもな出来事を日記に書き出してみました。決断と、偶然と、多くの人の支えの積み重ねで今ここにいることを強く思い出させてくれました。ここで偶然これをしたからいまここにいけど、実はちょっと違うことをしていれば、今頃全然違う場所で、全然違うことをしていてもおかしくないということがいくつもあり、人生ってすごく不思議なものだなと思いました。

新入社員のころから35歳くらいに間違えられ続けて来た僕ですが、実はようやく30歳です。未熟者ですがこれからもどうぞよろしくお願いします。
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by knj79 | 2009-01-25 13:55 | その他 | Trackback | Comments(4)

春学期が始まりました

昨日からバークレーでは授業が始まりました。授業でシラバスが配られ、課題と試験の日程を手帳に書き込むと、「ああ、また大学が始まったんだなあ」という気分になります。

(受講科目)
1.ミクロ経済学(Econ)
2.計量経済学(Quant)
3.公共政策学入門(IPA) 以上必修科目(確定)
4.エネルギー経済学(Energy) 選択科目(未確定)

(主な予定)
2月6日 Quant 課題①
2月9日 Econ 課題①
2月10日~12日 IPA 48時間プロジェクト
2月18日 Quant 課題②
2月20日 IPA 課題①
2月26日 Energyグループプロジェクト発表&レポート提出
2月27日 Quant 中間試験①

3月4日  Econ ペーパー①
3月6日  IPA 課題②
3月9日  Econ 課題②
3月11日 Quant 課題③
3月13日 Energy ペーパー①
3月16日 Econ 課題③
3月18日 Econ 中間試験 & Quant 課題④
3月20日 Quant 中間試験② & IPA 課題③
3月23日~27日 春休み

4月3日  Energy ペーパー②
4月6日  Econ 課題④
4月17日 Quant ペーパー & Energy ペーパー③ & IPA ペーパー概要 
4月22日 Econ ペーパー②
4月27日 Econ 課題⑤
5月1日  Energy タームペーパー
5月14日 Econ 期末試験
5月15日 IPA ペーパー提出
5月18日 Quant 期末試験 & Energy 期末試験

今学期は特に、IPAとEnergyでのグループプロジェクトに大きく時間をさくことになります。

・・・学期末もそうだけど、3月20日までが大きな山場か。

また、これに加えて、GSPPでは10週間以上のサマーインターンをすることが「必須」(他の公共政策大学院のように免除が許されない)ので、インターン探しも授業と並行して行っていきます。

先学期はアメリカの大学院のシステムになれることで精いっぱいでしたが、今学期は先手先手を打って最初から飛ばしていきたいと思います。

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我が家のベランダからの写真。子供たちが遊ぶプレイパークが広がっています
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by knj79 | 2009-01-22 14:43 | 公共政策大学院(GSPP) | Trackback | Comments(0)

オバマ大統領誕生の日

アメリカ国民が待ち望んだ日がやってきました。メディアは、「新しい時代の幕開け」「歴史が変わる日」だと伝えてきました。ここ数日、テレビはこの話題で独占されていました。

オバマ大統領誕生の日。

昨日は Martin Luther King Jr. Day(キング牧師の誕生日)という祝日で、オバマ大統領の誕生は、キング牧師の"I have a dream"演説と重ねて報道されてきました。「キング牧師のいう"I have a dream, one day..."の「その日」がついにやってきたのだ」と。人種間の融和がついに訪れたのだと。

僕もようやく、アメリカ人のすさまじい熱狂が少しずつ理解できるようになってきました。それは、LAで日系アメリカ人国立博物館を訪れ、テレビでキング牧師の演説を何度も何度も見て、激しい人種差別を受けることの痛みをより身近に感じたからかもしれません。人種差別は激しく暴力的であり、そして根深い。だからこそアメリカ人は、オバマ大統領の誕生を、アメリカが人種差別を乗り越えられる証として熱狂していたのではないかと。

今日はUCバークレーの学長(Birgeneau先生)の呼びかけで、朝7時半から巨大スクリーンで就任式のパブリックビューイングがおこなわれました。

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早朝、かつ今日から授業が始まるというのに、集まった人の数は、なんと1万人。僕の友人もDCにとんで就任式を観覧したようですが、誰もがこの歴史的な瞬間を見逃すまいとしていました。

いやー、すっっっっごい人出でした。僕らは早めに着いたのでスクリーンのかなり近くで見ることができました。その様子が大学のサイトにまとめられています。

これがパブリックビューイングの様子です

バークレーの興奮が伝わりますでしょうか。大学も仕事が早いですね(笑)。

大学の友人や先生方は、オバマ大統領のプリントTシャツを着たり、帽子をかぶったり。テレビではライブで延々オバマ大統領のことを追い続けています(今はミシェル婦人とダンスを踊っています(笑))。今日はアメリカ中が興奮に包まれていることでしょう。

最後に、環境問題をなんとかしたいと思っている人にとって、オバマ大統領の誕生はまさに福音ですよね。彼の政策についてはこのブログで何度も繰り返しているので多くは語りませんが、ホワイトハウスのウェブサイトを紹介しておきます。

Agendaを見てください。Economyに続いて、Energy & the Environmentだけが特だししてあります。ここまで環境・エネルギー問題を大きく取り上げた大統領はいまだかつていませんよね。オバマ大統領のリードのもと、UCバークレーやスタンフォード、ハーバードなどの大学、シリコンバレーなどの企業がスクラムを組み、技術イノベーションをてこにアメリカがこの分野で再び世界をリードする日は遠くないかもしれません。
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by knj79 | 2009-01-21 13:04 | アメリカ大統領選2008 | Trackback | Comments(2)
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by knj79 | 2009-01-20 13:23 | その他 | Trackback | Comments(0)
10年前に初めて海外旅行をしたときに訪れた都市のひとつがSanta Barbaraでした。どこまでも青い空(ほとんど濃紺)。緑にあふれ、オレンジの屋根とクリーム色の壁で統一されたゆったりした街並み。振り向けば山脈、前を向けば太平洋が広がっている。僕にとってのカリフォルニア(アメリカ)のイメージを決めたのはこの街だったんだなあ。UCサンタバーバラ(バークレーの姉妹校)で勉強できる人がうらやましいなあ。

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by knj79 | 2009-01-20 04:04 | その他 | Trackback | Comments(0)
冬休みの最後に4泊5日の旅行をしてきました。南カリフォルニアの大自然と歴史、街並みを堪能できました。

まずは世界一美しいハイウェイといわれるPacific Coast Highwayの道のりから。なお、写真は妻が撮影したものです。
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by knj79 | 2009-01-20 03:44 | その他 | Trackback | Comments(0)