2008年7月から2年間、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院に留学しています。まとまりのないひとりごとです。


by knj79

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春学期 後半戦開始

春学期の前半戦が終了し、明日から後半戦が始まる。これまでの授業の感想。

どの授業も、今学期は前学期の何倍も面白い。前学期は経済学、政治学、統計など基礎固め的な授業が多く、かつ何もかも初めての経験でついていくので精いっぱい。楽しむ余裕はゼロだった(思い出したくないくらい)。今学期は、ようやくやりたかった「政策立案の型」を身につけるタイプの授業が目白押し。毎回、わくわくしながら授業に出て、ノートをとって、自分の経験をもとに具体的な政策について課題を解きながら考える。友人たちや教授と議論する。経済学を現実問題に適用して政策を作るのは楽しい。授業を受けていてこんなに楽しいと思ったのって人生で初めてかもしれない(ふまじめ学生だったもので)。しんどかったけど、本当に楽しかった。

今学期は妻が来てくれたので精神的に安定して勉強できた。また、アメリカの大学院のスタイルに慣れたこともあって授業の理解度も高く、これまでの試験・レポートは平均でAと好調だ。特に、前学期は「短時間で資料を読んで書く」タイプの試験やペーパーに本当に苦労していたのだが、少しは克服できたかもしれない。GSPPの学生は、優秀だし本当によく勉強する。テストのクラス平均点はだいたい80点を超えるので、気が抜けない。こういう中で留学生ながらやっていけているのは、小さなことだけど、自信になる。

明日から5月18日まで、息もつけないような毎日が始まると思うとかなりブルーになるが(はあ)、なんとかがんばろうと思う。
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by knj79 | 2009-03-30 08:20 | 公共政策大学院(GSPP)
前にも書いたが、交通分野の独占的なエネルギー源であるConventional Oil(現在使われている石油)の優位性は今後10年以上にわたり揺るがないものの、徐々に中東以外の油田の生産量は減じており、2020年には70%程度の石油生産が中東に集中すると考えられている。

このような地理的な遍在は、輸入国たる先進国にとって、エネルギー安全保障のリスク、及び(ここ数年みられたような投機資金の流入による)急激な価格変動等の国民生活上のリスクをさらに高めることになる。

これら中東の石油は各国の国有企業が管理している。これに手を出せないアメリカ等の石油資本は、先進国に存在するUnconventional Oilの開発を着実に進めることになる。結果、現時点では価格競争力の低いUnconventional Oilへの投資が進み、技術革新が引き起こされ、Unconventional Oilの生産コストは低下する。これにより、Conventional OilからUnconventional Oilへの代替が進む。

(注)Unconventional Oilとは、タールサンド、CTL(石炭を液化して燃料にしたもの)、オイルシェル等の現在商業的に利用が進んでいないものの、今後利用が見込まれ、豊富に存在する液体化石燃料を指す。

さらに、中国を含む多くの国々でモータリゼーションは今後本格化する。DOEの試算では世界の自動車台数(Car & light truck)は2010年の約10億台から2020年に約20億台に到達する。先日販売が決定したタタ社のナノ等、二輪車と同等の価格で購入できる低価格車の導入もそれに拍車をかける。

これら石油の開発・使用に関して今後問題となるのは、その総量ではない。Unconventional Oilを含めた石油の量は、急増する石油需要を長期間にわたって吸収できるほど膨大に存在すると見込まれている。むしろ、炭素強度(単位エネルギーあたりの二酸化炭素排出量)の大きいUnconventional Oilの大量消費による温室効果ガスの放出・気候変動への影響が、その開発・使用の最大の障害となってくる。Unconventional Oilの開発主体が気候変動政策へのロビイングを強化しているのはまさにこの認識による。

したがって、ピークオイル論において本当に問題なのは、原油が足りなくなることではなく、Unconventional OilによるConventional Oilの代替に伴う地球温暖化の加速である。

現時点では交通分野のエネルギー源として、石油(Unconventional Oil含む)の代替財は事実上存在しない。代替財が存在しない必需品の消費を減らすことはいかなる理由があったとしても難しい。たとえば、仮に過去数年のような投機資金の市場への流入による価格高騰が起こったとしても、価格弾力性が非常に低いこのような財の消費は減らない。

このため交通分野からの温室効果ガスの大幅な増加が予想される。しかしながら、世界の温室効果ガスの排出量を2050年までに半減しようとする目標のもとで、交通分野での温室効果ガスの急増を見過ごすことは難しい。
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by knj79 | 2009-03-30 06:11 | 環境政策
20代、独身のうちは自分の手に負えないことも含めてどんどんやって、自分のキャパを広げることを目指していた。その分、周りの人に迷惑もかけていたのだと思う。今結婚をし、30歳になり、方向転換の必要性をひしひしと感じる。もう今までとは違うんだぞ、と心の底から思う。自分のためにすべての時間を使うことはしない。家族のためにできるだけ多くの時間を使いたい。

仕事はあくまで人生の一部でしかない。仕事と自己実現を重ねる風潮が日本には強くて、それ自体に反対はしないが、ひとつ間違えると仕事が人生のほとんどを占めてしまうことにならないか?アメリカで仕事以外の生活を大切にし、人生を楽しもうとする友人たちに会い、余計そう思うようになった。

ワークライフバランスなんていう言葉が流行りだけど、仕事は放っておいても本気でやることになる。今後僕が家庭や生活にできるだけ多くの時間をかけるためには、集中力を最大限まで高めて、生産性をあげて仕事を最短で終わらせること、そして家庭や生活を侵食する可能性のある雑事を減らすこと、この二点が必須だと思っている。優先順位を間違えないようにしよう。
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by knj79 | 2009-03-28 08:00 | キャリア
春学期も折り返し、一週間の春休み。宿題があるのでほとんど春休みという気はしないのですが。

さて、官邸で気候変動政策に関する中期目標検討委員会が開かれ、各対策シナリオの社会的なコスト(雇用と所得に関する影響)が示されたようだ(まだウェブサイトに資料が掲載されていないので、新聞社のウェブサイトを読んだだけだが)。政策を立案するにあたって、BCA(Benefit Cost Analysis あるいはCBA)をするのはきほんのきなので、まずはCostを分析したということだろう。

次は、Benefitの部分をきちんと示すことが重要だ。アメリカではオバマ大統領が連日アメリカ国民に向け、「グリーンニューディールによる新産業及び雇用創出」を語りかけている。その効果は当然連邦レベルでも計算されているほか、カリフォルニア等の州レベル、さらに大きな自治体レベルでも行われている。今学期の授業のプロジェクトでは、われわれのグループがとある自治体における気候変動政策の雇用への効果を計算している。

Costだけ計算してBenefitを示さないなんてBCAとして考えられないから、温室効果ガス削減部分だけではなく、上記のような産業・雇用への影響を含めて日本でも同様の試算を行い、経済対策としての可能性をきちんと把握してほしい。
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by knj79 | 2009-03-27 17:14 | 環境政策
代替エネルギーの勉強をするはずが、なんだかんだいって石油について学ぶ時間がとても多いこの頃。石油はあらゆる点でエネルギーの王者であって、気候変動政策は、かなりの部分この王者に立ち向かう挑戦者を送り出す政策だ。相手を知らずして戦略は立てられない。(注:石油の重要性は、今後50年くらいは増すことはあっても減じることはないと思う。)

そして、石油の歴史がこれがまたむちゃくちゃ面白い。19世紀後半からの世界史は石油にドライブされる形で形成された。中東(特にサウジ)が80年代に石油をあれだけ増産し、原油価格を落としたせいで、ソ連は外貨獲得能力を急速に失い、崩壊したこととか。

まあ、このへんの内容は今度書くとして、石油関連の書籍はやはり英語の文献が充実しまくっている。経済学の側面、史実面、技術面、陰謀面(こんなのもある)、どれをとっても層が厚い。翻って、さっき日本のamazonのサイトを見て確認したが、重要書籍ですらほとんど日本語に訳されていないのが現状。

結論。英語で日本語と同程度のスピードで情報を得られないと、危険だ。視野が狭くなる、あるいは偏る。英語でも極端な視点からの論文、書籍は多いが、そこは層が厚いので両論見つけることがすぐできる。これは客観的に論を組み立てるときに不可欠だ。

そして、英語で日本語と同程度に発信できるようにしたい。英語で書けばインターネットを通じて(あるいはAmazonで買われて)世界中に読まれるのだから、英語で書くことの重要性は過去と比較できないくらい大きくなってきていると思う。
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by knj79 | 2009-03-23 16:05 | 英語
アメリカには彼らにしか分からない苦労がある。中学にあがるころには冷戦が終わっていた世代の僕にはなかなかリアルな実感として理解しにくいものであったが、冷戦を理解せずして20世紀を理解することはできない。そしてそれは環境経済学や資源経済学の発展にも大きな影響を及ぼしている。

(続く)
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by knj79 | 2009-03-20 02:55 | 公共政策大学院(GSPP)

WBC準決勝進出!

リーディングをしながらちらちらテレビを見る。たった今日本勝利。岩隈も杉内も素晴らしかった。イチローが復活して、優勝は日本か韓国じゃないのというのがESPNの評論家の見立て。

ただ・・・、韓国戦はもういいよ。この大会は拡大日韓戦か?次回からもう少しまともなレギュレーションになること期待。
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by knj79 | 2009-03-19 15:59 | その他

菜の花と桜

僕たちの住む家族寮の前には菜の花畑が広がっています。
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満開の時期を過ぎましたが、街中で桜が咲いています。
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2月は日本の梅雨のように毎日雨が降っていましたが、ようやく雨期もあけたのでしょうか。
本格的な春到来かな。
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by knj79 | 2009-03-15 05:30 | ベイエリア

ForbesのEco-tech eddition

アメリカの環境政策の今を知るのに良いサイト。おすそわけします。

フォーブスのエコテクサイト。

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by knj79 | 2009-03-13 10:00 | 環境政策

プリウスのある町

もうすぐ春学期も折り返し地点。毎日のように宿題と試験。

さて、バークレー周辺には世界中のプリウスが集結しているんじゃないかと思うくらい、プリウスだらけである(少し大袈裟)。東京ではあまりお目にかかることがなかったように記憶しているんだけど、たとえば今日通学のバスに20分乗っていると、14台とすれ違った。多すぎる。オーダーしても何カ月待ちという話も聞いたことがある。

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こんな風に、一つの通り(ブロック)に数台並んでいるのはざら。

バークレー周辺は高級住宅街なので、お金持ちが多い。それに加えて、環境意識も高いのでプリウスが売れるのも当然といえば当然か。そんなことを思っていたら、アメリカでの販売数が100万台突破したというニュースが(アメリカではほとんど報じられていなくて、むしろ、新型のインサイトとプリウスの戦いのニュースをよく見ます。)。フォードのハイブリッドは10万台だとか。

新技術が社会に浸透する速度を規定するおもな変数は、価格、耐久年数、競合する代替財の数、の3つと言われる。車の耐久年数は10-15年で、最速でも新技術の市場占有までに10年かかるわけだけど、市場浸透率のカーブはS字カーブと言われている。つまり、途中まではカーブは寝ているんだけど、ある段階で急激に立ち上がり、普及が進むことが多い。今回の新型インサイト&プリウス投入で価格競争→ハイブリッドカーの低価格化→販売数が加速的度的に増加→ラーニングカーブが進んで生産コスト低下→以下繰り返し、という好循環になる可能性は高い。

ここバークレーなら、あと10年もするとバークレーの車の8割はハイブリッドになっていてもおかしくない。できればそれが日本車であると嬉しい。わくわくしますね。

トヨタプリウスのアメリカでの売上が100万台突破

Toyota and Lexus Hybrids Top One Million Sales in the U.S.

Toyota logo. (PRNewsFoto/Toyota Media Relations)

TORRANCE, CA UNITED STATES

TORRANCE, Calif., March 11 /PRNewswire/ -- Toyota Motor Sales (TMS), USA, Inc., announced today that total combined Toyota and Lexus hybrid vehicle sales in the U.S. have topped the one million mark.

The sales milestone was achieved with an industry-leading six Toyota and Lexus hybrid vehicles including the Toyota Prius, the world's first mass-produced gas-electric hybrid and the all-time worldwide leader in hybrid sales.

With the expansion of its hybrid technology to a diverse group of vehicles, Toyota has commanded nearly 75 percent of all hybrid vehicles sales in the U.S. over the past 10 years. Overall, cumulative worldwide sales of Toyota and Lexus hybrids have exceeded 1.7 million vehicles through January of this year.

"One million hybrids in less than nine years indicates how quickly American consumers have accepted this important technology," said Jim Lentz, TMS president. "Toyota's hybrid leadership will continue to expand in the U.S. and around the globe. With 10 new hybrid models between now and 2012 in various global markets, we plan to sell one million gas-electric hybrids per year, worldwide, sometime early in the next decade."

Toyota pioneered modern gas-electric hybrid technology with the launch of the Prius in late 1997 in the Japan market. Its popularity in Japan encouraged the launch of Prius in the U.S. in July 2000. The first-generation U.S. Prius was a low-volume vehicle (12,000 produced annually) that gained an immediate following, particularly among environmentally conscious consumers.

The second-generation Prius launched in the fall of 2003 as a 2004 model year. With larger dimensions, all-new styling, and Toyota's new Hybrid Synergy Drive technology, Prius became an instant hit. By 2005 Toyota was producing over 100,000 vehicles annually for the U.S. market. Prius had propelled itself from a niche environmental car into a mainstream vehicle for everyday driving needs. With more than 107,000 sales in 2005 Prius became the third-best selling Toyota passenger car in the U.S. after the Camry and Corolla.

From its humble beginnings in the summer of 2000 through February 2009 more than 700,000 Prius have been sold in the U.S., making up more than half of the 1.2 million Prius sold worldwide.

The successful launch of the Prius encouraged expansion of its hybrid technology to existing models in both the Toyota and Lexus lineups. In April 2005, Lexus introduced the crossover RX 400h, the world's first hybrid-powered luxury vehicle. Two months later Toyota launched the Highlander Hybrid sport utility vehicle (SUV).

One year later in April 2006, the Lexus GS 450h made its debut as the world's first front-engine, rear-wheel drive, full-hybrid performance sedan. April 2006 also marked the debut of the Camry Hybrid, becoming the first Toyota hybrid to be built in the U.S.

For the third consecutive year, Lexus further expanded its hybrid lineup in July 2007 with the launch of the LS 600h L luxury hybrid sedan, the world's first vehicle to feature a full-hybrid V8 powertrain. July 2007 saw the arrival of the second-generation 2008 Toyota Highlander Hybrid SUV. The all-new Highlander Hybrid raised the bar once again in the mid-size SUV segment with a complete redesign that was improved, refined and expanded in nearly every metric of comparison.

Ongoing improvement to its hybrid technology continues in 2009 with the summer arrival of the second-generation 2010 Lexus RX 450h. The all-new RX Hybrid will feature an updated version of Lexus Hybrid Drive that will improve fuel economy by up to 20 percent while generating 27 more horsepower than its predecessor.

Spring 2009 will mark the launch of the all-new and vastly improved third-generation Prius. The 2010 Toyota Prius will once again set new standards for innovative hybrid design and technology, raising its level of convenience features and performance to new heights, including a combined EPA estimated fuel efficiency rating of 50 miles-per-gallon.

Finally, late summer of 2009 will see the launch of the 2010 Lexus HS 250h, the world's first dedicated luxury hybrid vehicle. The HS 250h will be Lexus' fourth hybrid and the most fuel-efficient vehicle in its lineup.

"For Toyota and Lexus, 2009 can easily be called 'the year of the hybrid' with three new offerings including our seventh hybrid model with the launch of the Lexus HS 250h," said Lentz. "In addition to our growing hybrid presence over the next few years, expanded hybrid offerings from competitors will not only drive innovation and improvement for consumers, it will continue to help improve the environment and reduce our dependence on foreign oil."

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by knj79 | 2009-03-12 18:54 | 環境政策