2008年7月から2年間、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院に留学しています。まとまりのないひとりごとです。


by knj79

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サマーインターン開始

春学期が終わり、今週から10週間のサマーインターンが幕を開けた。ほとんど息をつく暇もなく、緊張した日々が続いている。内容も、環境も、一緒に働くチームのメンバーたちも、超刺激的で面白く、やりがいがある。

当然のことながら仕事内容については書けないのだけど、働いている会社は、カリフォルニアの巨大エネルギー企業で、僕はそのなかで太陽電池関連の仕事をしている。単なるリサーチではなく、末端ではあるが、現在進行中の大きな意思決定にかかわる仕事をしているので、すごくスピード感があり、リアルで面白い。我々の仕事について、僕のスーバーバイザーが面白いことを言っていた。

Where the rubber hits the road.

タイヤが道路をけって車が走ることをイメージする慣用句なんだそうだ。実際の物事はここで動いているんだ、そして、責任を負うのもまさに我々だ、というという自負を強く感じる。

アメリカに来て、民間企業で、こんな経験ができるとは思わなかった。このポジションはGSPPのエネルギーに興味を持つ学生の中でもおそらく一番人気で、僕の友人もたくさん応募しており、しかも一人しか採用枠がなかった。だから、留学生の僕が選ばれたのは正直不思議で仕方がないし、運がよすぎると思う。この面接の直後いの一番に選んでくれたチームのメンバーに報いるためにも、そして、このポジションを希望していた多くの友人のためにも、ベストを尽くして貢献したいと思っている。
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by knj79 | 2009-05-31 17:25 | 環境政策

春学期終了

昨日、Energy EconomicsのTake Home Examを5pmに提出して、めでたく春学期終了。

アメリカに来て約1年間、早かったなあ。この1年間の一番大きな出来事は、結婚をして、妻と一緒に暮らし始めたこと。やはり世界が大きく変わったと思う。学業の面では、目指していたことがどれくらいできたか、できなかったか、2日くらいかけて考えてみたい。

4月末あたりからお別れランチ・ディナーが連日あって、カリフォルニアに残る僕としてはさみしい限り。皆さんには本当にお世話になり、感謝の気持ちでいっぱいです。帰国後に日本で、あるいは世界のどこかでまたお会いできれば嬉しいです。そして、一緒に仕事ができるといいですね。

アメリカの大学院ではどこも春学期が終わったころだと思います。留学中の皆さん、1年間お疲れ様でした。
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by knj79 | 2009-05-23 02:13 | 公共政策大学院(GSPP)
資源経済学の古典、Hotellingの論文(1931)からHotelling's Ruleについて、簡単にまとめてみる。何かの参考になれば幸い。

H. Hotelling, (1931). The Economics of Exhaustible Resources. J. Polit. Econ., Vol. 39: 137-175

石油や銅などの有限な資源を、どのような価格設定で、どの程度のスピードで使いきるのが最適なのか。ホテリングのモデル(Hotelling's Model)は、その問に対して、いくつかの仮定のもとでの理論的な解を与える。1931年に発表された本論文は、当時全く関心を払われなかったものの、70年代のオイルショックにおける産油国の価格つり上げが彼のモデルに合致すると思われたことから、経済学者たちから急速に関心を集めた。その後、本論文は資源経済学(Resource Economics)という一分野を築く土台となった。


本論文の背景には、当時盛り上がりつつあった、「石油や鉱物、森林といった天然資源の価格が安すぎるために、過度なスピードで消費されている」という議論がある。では、そもそもどの程度の価格が適当だといえるのだろうか?その価格を決めるクライテリアは何か?また、将来的には枯渇する資源であるのだが、どのような速度で使いきるのが適当と考えられるだろうか?あるいはいつまで枯渇させずに使い続けるのだろうか。それはなぜだろうか。

また、経済学の観点からは、定常生産を際限なく続けることはできない枯渇性資源(通常の生産要素なら可能)を生産する産業は、通常の経済学の理論の枠外であるため、新たに理論を構築する必要があった。

ホテリングのモデルは、枯渇性資源の生産者、たとえば石油会社や鉱山会社の価格設定および生産速度に関する意思決定(挙動)を理論化した。独占、生産コストの上昇、税、不確実性等の要素がどのようにその意思決定に影響を与えるかについて、それぞれ検討がなされている。

本モデルでの主な仮定は以下のとおり。
(仮定①)
通常のミクロ経済学の企業と同様に、生産者は、資源を使いきるまでの期間全体で得る収益(正確にはレント)の割引現在価値を最大化することを目指して意思決定を行う。
(仮定②)
生産者が生産できる資源の総量は一定であり、技術革新等によって変動しない。
(仮定③)
生産者は、資源の総量を把握しており、その上で生産、または保全の意思決定を行う。
(仮定④)
生産コストは一定であり、技術革新等によって変動しない。

これらの仮定を満たすためには、生産者(市場)が決定する資源の価格(=採掘のマージナルコストとマージナルユーザーコスト(=Scarcity Rent)の和)のうち、マージナルユーザーコストが利子率と同じ速度で上昇することが求められる。また、生産者(市場)が供給する資源の量は、この価格を満たすように決定される(生産量を減らしていく)。つまり、Hotelling's Ruleは「効率的な生産・市場において、生産者の利益を最大化するためにマージナルユーザーコストが利子率と同じ速度で増加するPrice-pathを選ぶこと(Pt=P0*exp(rt)」とまとめられる。

Hotelling Modelは、上に述べたとおり、枯渇性資源の生産・消費について新たな理論を構築し、その後の資源経済学の土台となった点で重要である。また、大きな仮定を置いているものの、生産者の行動原理を理論的に証明し、独占や税、不確実性がその意思決定にどのように影響を与えるかの検討にも大きな役割を果たし、政策的なインプリケーションは大きい。

他方、現実への適用という点では、現実的ではない仮説を置いているため、取扱いに注意が必要である。1970年代以降の資源経済学の分野では、多くの資源の価格が低下しているという事実とHotelling's Modelをベースとして、資源の希少性は問題にはなりえないという「実証研究」が多数行われた。しかしながら、以下の理由から誤った結論であるといえる。
まず、過去数十年、技術革新による生産コスト低下(仮定④の破れ)、利用可能資源の拡大(仮定②の破れ)がおこり、供給曲線が右方向にシフトした。まず、これによる価格の低下が起こった。
さらに、生産者は資源量に関する十分な情報を有しているとはいえず(仮定③の破れ)、Hotelling's Modelをもって資源価格等のEconomic Indicatorsが資源の希少性の判定に活用できると考えるのは危険である。

以上のように、Hotelling Model、様々な条件下における枯渇性資源の価格変化及び消費速度に関する貴重な知見を与え、その後の資源経済学の発展の基礎として重要である。しかし、技術開発の顕著な昨今、いくつかの仮説は現実性を失っており、Hotelling Modelの結果のみをもって現実社会に適用することは誤った政策的インプリケーションを得ることになりかねないため、注意が必要である。
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by knj79 | 2009-05-21 07:33 | 環境政策

あと2日だ

昨日、2つめの試験が終わった。あとはグループのレポート(ほぼ完成した)と、Energy EconomicsのTake Home Exam=短時間で書くレポートが残っている。とはいえ、試験が終わると、なんだかほとんど学期も終わったような気分になって、ちょっと気が抜ける。試験をすでに終えている生徒も多く、キャンパスはすでに閑散としはじめている。

木曜に受けたミクロ経済学IIのテストの結果が、もうロッカーに入っていた。教授も早く夏休みに入りたいのか、仕事が早い。結果はA。中間はA+だったので、ミクロ経済学のことをある程度理解できたといっていいのかなと思う。とはいえ実感としては、まだまだである。

これも、1年とおして週に3回ミクロ経済学の授業を受けて、練習問題を解き、レポートを出し、という感じで流れに合わせてやってきたからできたこと。それに、知識ゼロからでも急速にキャッチアップできるように授業が組み立てられているのもGSPPのカリキュラムの良さだと思う。夏の間はじっくり腰を落ち着かせて、2冊の教科書を復習したい。次の学期もミクロ経済学をベースとした、環境経済学をとるつもり。自信を持って、政策立案の理論として自在に経済学を使いこなせるようになりたい。

ニュースではオバマ大統領が燃費規制の強化をついに発表した。30年にわたる停滞を経て、ようやくアメリカの自動車燃費規制が本格的に動き出したというところか。こちらも夏休み中にまとめて書きたい。

徒然と書いてしまった。あと少し、気持を緩めず頑張ろう。
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by knj79 | 2009-05-20 11:43 | 公共政策大学院(GSPP)

Wikipediaはすごいですね

英語ができて良いことは、たぶんたくさんあるけど、

・ 英語のWikipediaが使えること

というのは、それだけで英語上達にかかるコストを上回るベネフィットのような気がする。というのは言いすぎですね。でもすごく便利です。

特に、学問関係のWikipediaは便利。英語圏の子供たちは教科書いらずで勉強できる環境にあるわけですね。うらやましい。たまに日本語のも見るけど、数も分量も100倍(1000倍?)くらい英語のほうが充実しているのです。

日本の大学生の皆さん、並の日本の教科書よりよほどわかりやすくて詳しいから、英語の練習がてらぜひ使ってみてください。
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by knj79 | 2009-05-14 09:25 | 英語

インターン探し

今学期終了まであと1週間少し。通常の勉強に加えて、後半からは課外活動、自分のインターン探し、さらには友人のインターン探しも手伝ったりしていたので、盛りだくさんだった。

うちの大学院では10週間のインターンが必須で、この不況の折、みなそれぞれに苦労している。今後のキャリアに直結するので、応募する側、雇う側、双方とも真剣だ。日本でいう就職活動そのものである。レジュメやカバーレターの書き方や面接の受け方、さらには給料の交渉に関するワークショップなんかもあり、指導を受ける。その上で個別にキャリアアドバイザーの面接を受け、各自に応募する。みな、毎日のようにインターンが掲載されているGoldJob(リクナビみたいなもの)という内部生しか見れないサイトをチェックして、応募する。結構大変な作業だった。

人気のある企業はみんなが応募するので、クラスメートとの(言い方は悪いが)競争になる。たとえば僕なら環境・エネルギーに関心のあるクラスメートと仲がいいのだが、だいたい応募する企業・組織は一緒だ。面接呼ばれた?結果どうだった?みたいな会話はだんだんできなくなる。気まずくなるからだ。

そんなこんなで、仲間たちのインターンもだいたい決まり、一番気にかけていた親友のインターンも、今朝、なんとか決まりそうなメールが来たので、自分のことのようにほっとする。直前になってもインターンが決まらない不安感というのは、本当にきついものがあるのです。

夏はみな世界中に散っていく。近くでインターンをする友人たちとは、インターン中、ランチでもしながらそれぞれの組織で何をやっているか、情報交換しようと約束する。返ってきた仲間たちから話が聞けるのも楽しみだ。
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by knj79 | 2009-05-14 00:55 | 公共政策大学院(GSPP)
今後のスケジュール

5月14日(木) Economics Final Exam

5月18日(月) Econometrics Final Exam

5月20日(水) IPA Report

5月21日(木) Energy Economics Take Home Exam、春学期終了

5月26日(火) Intern開始

8月3日(月)  Intern終了(10週間)

8月26日(水) 秋学期開始

12月18日(金)秋学期終了
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うちの前の道。街路樹が気持ちよさそうに揺れています。
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by knj79 | 2009-05-11 11:55 | 公共政策大学院(GSPP)
日本の大学では、わからないことは自分で調べるのが基本だった。(さらに言えば、僕の前職でもそうだった。)

バークレーでは、違う。少なくとも今までの僕の経験上は違う。どんなに単純な質問でも、学生たちは臆せずに質問するし、教授もきちんとそれにこたえる。

日本では、「大学に入ったら(あるいは大学院に入ったら)、わからないことは自分で調べるべきだ」と、多くの人が言う。教える側だけでなく、教えられる側(学生)もそう思い込んでいる。でも、本当にそれが組織として、社会として、効率的か?もっと知・情報を組織全体で共有したほうが、アウトプットが出しやすくなるのではないのか?単に今まで自分がそう教えられてきたから、後輩や生徒にもそう指導しているわけではないのか?教える側が楽をするためのエクスキューズになっていないか?

目的と手段を取りちがえてはいけない。日本の組織が最大のアウトプットを出すために、最も適した知識共有のための規範(コード)は何か、きちんと考えなくちゃいけない。

じゃないと、世界中の優秀な学生はアメリカの大学院に流れちゃうよ。
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通学路にある学校。最近、空が夏の空になってきた。
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by knj79 | 2009-05-11 00:45 | 公共政策大学院(GSPP)

IPA発表終了

よーし。

久しぶりに、つかのまの開放感にひたっている。2月から取り組んできたIPA(Introduction to Policy Analysis)の発表が今日終わった。発表・質疑応答は前日・当日に何度も練習したおかげで時間どおりにある程度自信を持ってできた。発表後に、紙で一人ひとりの発表パートに関する聴衆からのフィードバックを受けるのだが、驚くほど評価が高くてほっとした。この発表はプロのカメラマンに撮られていて、今度、プレゼンの先生と一緒にレビューセッションを受ける。自分の発表を録画して見るのは、いつまでたっても慣れないけど、去年の夏からの成長を感じられるといいな。余談だが、IPAの授業でプレゼンの先生からプレゼンの手法に関する素晴らしい授業を受けられたことも収穫だ。

発表の中身自体には、エネルギーについてある程度理解している者としてはあまり満足していない。でも、コーチ(准教授)からは高い評価をもらい、あとここを少し直してデリバリー(ストーリーの運び方)を変えればいいよ、という来週提出のレポートについての落とし所もいただいた。あとはプロフェッショナルなスタイルで、クライアント(ソノマカウンティ)に提出できるようにまとめていく。

ここでは詳しくかかないが、暴走するメンバー、やるといったことをやらないフリーライドするメンバーがいたり、昨日の深夜ぎりぎりまで調整が大変だった。というか、僕はとりまとめを担当していたのだが、全員のスライドが集まった昨日の段階で、これをどうしたらストーリーになるんだと頭を抱えてしまった。
特に大きかったのは、あるメンバーがやるはずだったこととは全然違うことをやってきて、その結果を受けて話を展開する他のメンバーの発表内容を大幅に変更しないといけなくなったこと。他のメンバーは絶句したが、もう時間もないので彼女の仕事に合わせざるを得なかった。案の定そこはコーチにこっぴどく駄目出しされて、当初の内容に直された。ほかにもストーリーの展開の仕方、スライドの作り方など、衝突が絶えなかったが、時間切れで結局は各人の担当部分を尊重する形になってしまったのも残念だった。
こんな風に、一緒にグループワークを詰めてやってみると、それぞれのスキルだとか人間性が本当に良くわかるものだなと思った。

自分のスキルに関しては、内容よりも、英語で臆することなく、がんがん議論ができるようになったことが一番の収穫だ。毎週のように議論をしていると、自分の意見をぶつけることに臆することもなくなったし、スピードや流れを考えながら議論をすることもできるようになった。スピーキングのトレーニングとして一番有効なのは、こういったグループワークだと思う。アメリカや海外の組織でも働く自信が少しついたと思う。
英語を伸ばそうと思ったら、使うしかないんだな。話せるようになりたかったら、話す量・時間を増やす。単純なことなんだ。

最後に、インターナショナルの学生として、ネイティブの学生に対する強みと弱みを身にしみて実感したことも収穫だった。プロジェクトの中身、つまり、仮説を立てたり、構成を組み立てたり、モデルを作ったりといったことに関しては、ネイティブの学生に劣ることは何もなく、もちろん優っている部分も多々あり、自信をもってグループをリードしていくことができるということだ。この点では、途中から自分でグループの流れを作っていけたものの(結局担当部分をやってこないメンバーがいたので反映されなかったけど)、もっとイニシアティブをとっていくべきだったと反省している。
一方で、限られた時間に必要な情報を収集すること、そして文章に落とし込むという点については、ネイティブには全然かなわないこともわかった。つまり、英語のインプットとアウトプットの部分だ。ここは日本語ではかなり自信を持っていた部分なのだが、速度で言うと10倍くらいの違いを感じた。

今学期も残りはテスト三つとIPAのレポート一つ。終わりが見えてきた。もう一度気合いを入れ直して18日までのあと10日少しを乗り切ろう。それが終われば、またスーツを着る毎日が始まる。


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by knj79 | 2009-05-08 15:36 | 公共政策大学院(GSPP)

小田和正

IPA(グループプロジェクト)、Energy Economicsのタームペーパーに押しつぶされそうだ。IPAは、自分がなまじエネルギーの分野に通じているものだから完全に内容をリードすることになってしまい、メンバーが頼り切り。発表のとりまとめもやることになってしまった。Energy Economicsは主に博士課程の学生を対象にした授業だからか、ワークロードが普通の科目の2倍ある(グループプロジェクト・プレゼン1回+ペーパー4回+自由プレゼン・ディスカッションリード1回+ファイナル+毎回膨大な経済学の論文のリーディングアサイン。勘弁してくれ。)

仕方ないから小田和正の曲を聞きながら作業をする。いまどきなぜ、といわれてもなぜだか知らないが、小田和正の歌を聴きながら勉強するのが中学の頃から一番はかどるのである。最近は勉強するときくらいしか聞かないんだけど、何歳になっても困った時の小田さんだよりだ。三つ子の魂百までというか、結局13歳くらいから僕の根っこのところはあんまり変わってないなと最近思う。

がんばろ。
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by knj79 | 2009-05-05 17:03 | 公共政策大学院(GSPP)