Rules of Thumb
2009年 09月 25日
僕たちは何かを選ぶ時、本来ならそれぞれの選択肢について情報を集めて良し悪しを分析して決めるのがいいんだろうけど(たとえばパソコンを買うとき、選挙の投票先を決めるとき)、そういったことを考えるのは面倒なので(Deliberation cost=深く考えるコストが大きい)、もっと単純な、経験的に得られる簡単なルールによって決めていることが多い。
このようなルールのことを、行動経済学ではRules of Thumbと呼んでいる。ビュッフェスタイルの食堂で、いくつか種類があったら、少しずつ同じだけとるとか、大事なことを決めるときには身近にいる信頼できそうな3人の意見を聞くとか、とりあえず周りの人のしていることを真似してみるとか。うまくいかなければ、その決め方を少しずつ変えて、うまくいくように修正していく。
このRules of Thumbは、Deliberation Costを劇的に下げるので、多くの場合には不可欠といっていいのだが、時に非合理な(本人の利益に反する)行動をとらせてしまうことになる。いろいろな失敗のタイプが示されていて、なんというか、経済学の論文というよりは、人生訓の本を読んでいるみたいだ。