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2008年7月から2年間、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院に留学しています。まとまりのないひとりごとです。


by knj79

環境安全保障という考え方(イントロ)

第4週2日目

安全保障、というと軍事のことを思い浮かべる方が
多いかと思いますが、もう少し幅広い概念と理解して
います。

平たく言うと、生存のために不可欠なものを確保すること、
といえると思います。

生存のために必要なものとは、どういうものがあるでしょうか?
・ 敵からの防御
・ 食糧
・ エネルギー
・ 淡水
・ 大気
・ 災害からの防御

もう少しあると思いますが、二番目以降は環境安全保障の
範疇に入ってきます。

少し話がすれますが、世界的な「流行語」になりつつある
Sustainability(持続可能性)という言葉。
これはまさに環境安全保障を長期的な時間軸でとらえた概念と
考えています。

つまり、長期的に見て、人間社会をこの形で持続していくことが
できるのか?
資源制約・環境制約が、ついに現実のものとして実像を表しつつ
あるいま、この問いは決してとっぴな問ではありません。
日本の視点で、この問いを真正面から取り組む必要が
あると考えています。

さて、といっても、食料やエネルギーを日本が全く入手できなくなる
はずもありません。現実的な考え方として、
日本に関しては、「食糧・エネルギー価格が高騰し、物価が上がる」
ということがまず考えられます。今日はこんなニュースもありました。
日本→海外 所得流出21兆円…世界最大に
BRICSをはじめとする新興経済国のエネルギー・食糧需要が
激増すると予想されているため、資源小国の日本はこれらの
確保に苦労すると思います。
原油価格は5年前の5倍、食料価格も軒並み数倍になっていますし、
長期的にはエネルギー・食料の上昇トレンドは続くのではないでしょうか。

しかし、さらに甚大な影響を受けるのはもちろん開発途上国です。
本論文(Environmental Scarcity and Intergroup Conflict)も
途上国での紛争を詳細に記述しています。

今日は眠いのでこのへんで。
by knj79 | 2008-07-15 18:43 | 環境政策