カリフォルニア州の温暖化・気候変動政策:イントロ
2009年 02月 22日
日本ではそれほど知られていないかもしれないが、カリフォルニア州では、官民が連携してすごいスピードで物事が進んでいる。2006年に地球温暖化対策法(Global Warming Solution Act: so called "AB32")が制定。昨年(2008年)12月に具体的な対策をまとめたScoping PlanをCARB(California Air Resource Board)が承認。これを受けて2010年までに関係法令をすべて制定し、2012年から施行することとなっている。詳細は後述する。
そして、これまでに得た情報から、カリフォルニアこそ、イノベーションをてこに世界初の低炭素社会を作ってしまう「国(State)」ではないかと思うようになった(なお、カリフォルニアは、人口、州内総生産、州政府の法的な権限、どれをとっても国と呼んで差支えないレベルの地域だ)。なぜなら、これほど低炭素社会を作るのための必要条件がそろった場所は、世界を見渡してもないからだ。
カリフォルニアの特殊性を、UC DavisのDaniel Sperling教授らは、著書"Two Billion Cars"でこうまとめている。
・ Visionary political leadership(シュワルツネッガー知事の超党派の(Bipartisan)リーダーシップ)
・ Experienced government agencies(CARB等、世界の自動車規制をリードしてきた環境政策を担当する経験豊富な州政府)
・ Accomplished research institutions(世界のトップ10に入る研究機関であるUCバークレー、スタンフォード、Cal tech+ローレンスバークレーやロスアラモス等の国立研究機関)
・ Technically sophisticated entrepreneurs(シリコンバレーのアントレプレナー・技術者)
・ A large venture capital community(イノベーションに資金を供給し、経営を指南するベンチャーキャピタルの集積)
・ Environmentally savvy consumers and voters(世界で最も環境意識が高いとも言われるカリフォルニア州の消費者、有権者たち)
(続く)