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2008年7月から2年間、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院に留学しています。まとまりのないひとりごとです。


by knj79

気候変動政策の費用対効果分析(BCA)

春学期も折り返し、一週間の春休み。宿題があるのでほとんど春休みという気はしないのですが。

さて、官邸で気候変動政策に関する中期目標検討委員会が開かれ、各対策シナリオの社会的なコスト(雇用と所得に関する影響)が示されたようだ(まだウェブサイトに資料が掲載されていないので、新聞社のウェブサイトを読んだだけだが)。政策を立案するにあたって、BCA(Benefit Cost Analysis あるいはCBA)をするのはきほんのきなので、まずはCostを分析したということだろう。

次は、Benefitの部分をきちんと示すことが重要だ。アメリカではオバマ大統領が連日アメリカ国民に向け、「グリーンニューディールによる新産業及び雇用創出」を語りかけている。その効果は当然連邦レベルでも計算されているほか、カリフォルニア等の州レベル、さらに大きな自治体レベルでも行われている。今学期の授業のプロジェクトでは、われわれのグループがとある自治体における気候変動政策の雇用への効果を計算している。

Costだけ計算してBenefitを示さないなんてBCAとして考えられないから、温室効果ガス削減部分だけではなく、上記のような産業・雇用への影響を含めて日本でも同様の試算を行い、経済対策としての可能性をきちんと把握してほしい。
by knj79 | 2009-03-27 17:14 | 環境政策