気候変動政策の費用対効果分析(BCA)
2009年 03月 27日
さて、官邸で気候変動政策に関する中期目標検討委員会が開かれ、各対策シナリオの社会的なコスト(雇用と所得に関する影響)が示されたようだ(まだウェブサイトに資料が掲載されていないので、新聞社のウェブサイトを読んだだけだが)。政策を立案するにあたって、BCA(Benefit Cost Analysis あるいはCBA)をするのはきほんのきなので、まずはCostを分析したということだろう。
次は、Benefitの部分をきちんと示すことが重要だ。アメリカではオバマ大統領が連日アメリカ国民に向け、「グリーンニューディールによる新産業及び雇用創出」を語りかけている。その効果は当然連邦レベルでも計算されているほか、カリフォルニア等の州レベル、さらに大きな自治体レベルでも行われている。今学期の授業のプロジェクトでは、われわれのグループがとある自治体における気候変動政策の雇用への効果を計算している。
Costだけ計算してBenefitを示さないなんてBCAとして考えられないから、温室効果ガス削減部分だけではなく、上記のような産業・雇用への影響を含めて日本でも同様の試算を行い、経済対策としての可能性をきちんと把握してほしい。