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2008年7月から2年間、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院に留学しています。まとまりのないひとりごとです。


by knj79

記者の仕事の難しさ

インターンで必要に迫られて、再生可能エネルギー関係の政策、たとえばFeed in Tariffとか、RPSとか、Green Certificateについて、英語で検索する前にさっと最新の状況を抑えるべく、まず日本語のインターネットで検索した。Feed in Tariffなんかは日本語の新聞や雑誌の記事が結構ひっかかったので2時間ほど読んだのだが、怪しい内容のものか、うわっつらをなぞったものが多かった。エネルギーや環境政策をずっと追っているジャーナリストが書いたものは、ちゃんと書けている。

別に記者さんたちを批判をするつもりはなくて、人事の制度上、仕方ないんだろうなと思う。たとえば僕が、全く土地勘のない内容の講義なり、会議なりを聞いて、まともにノートがとれるだろうか。分かりやすく人に伝えるのはもっと難しい。まずお手上げだ。そこまでの状況ではないにせよ、彼らの仕事はそれに近いものがあると想像する。困難な仕事だ。

記者一人がカバーする領域はおそろしく広く、それに加えて、職場(分野)のローテーションさえあるのだ。内容や背景に精通している人が書いているわけがない(と考えた方が無難だ)。彼らが伝えるプロであるのは認めるが、内容を理解していないものを書くのは困難だ。そして、読者であるわれわれが、それを的確に理解するのはさらに難しい。

さらに、これはエネルギー政策や環境政策の分野で顕著なのだが、経済学の常識のもとで政策が作られているので、その前提を知らずにポイントをつかみ、記事を書くのは困難だというのも今回発見したこと。

政治学の授業のゲストスピーカーで来てもらったバークレーのジャーナリストスクールの教授は、経済学でPh.Dを取り、ニューヨークタイムズで経済政策を長年追った方だった。政策も複雑化している今日、それを伝える側も専門化をしないと難しいのだろうなと思う。

そして、こちらは専門家からのアプローチだが、できるだけ内容を分かりやすく伝えること。分かってもらえなくてもなんどでもブリーフすること。あとは字数制限のないブログを書くこと。専門家の書くブログは、素晴らしいものが多い。
by knj79 | 2009-06-02 12:00 | その他